劇場公開日 1949年11月1日

「終盤の階段シーンの物凄い緊迫感は見もの」汚名 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5終盤の階段シーンの物凄い緊迫感は見もの

2019年2月18日
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白い恐怖に続いてイングリッド・バーグマンが主演
彼女をもう一回出してラブシーン強化でやれば大当たり間違いなしとの方針がでたのか、お相手に格好いい二枚目ケーリー・グラントを起用
長い長いキスシーンなど、二人のイチャイチャシーンがヒッチコック映画としては珍しくかなり多い

このため中盤まではテンポも緩くサスペンスも少な目
イングリッド・バーグマンの美しさを愛でるだけでなんとか持ちこたえないといけない
いささか忍耐力を必要とする

ところが終盤の階段シーンの緊迫感は物凄いものがある
ラストシーンのセバスチャンが黒い扉の中に戻る撮影構図は素晴らしい印象的なものであった
正に九回裏の逆転2ランであった

題名の汚名とは、もちろんアリシアの父親とその娘で有ることにかかっているのだが、アリシアに対するデブリン捜査員にもかかっているのがにくいところだ
恋愛をも捜査に利用する男という汚名は見事に晴らされるのだ

あき240
あき240さんのコメント
2024年5月23日

すみません
1949年は日本公開年でした
米国公開は1946年が正しいです
でも言いたいことの主旨は変わらないと思います

あき240
あき240さんのコメント
2024年5月23日

確かにバーグマンのアリシアのその後を考えるとどうでしょう
生き延びて回復を望みたいですが、良くて植物人間、悪くするとそのまま亡くなる運命のように思えます

そうなればグラントのデブリンはアリシアに対して汚名を濯けたとしても、そうなったのは自分のせいだと永遠に自分を責め続けることになります
彼自身が自らの汚名を晴らすことはできなくなるのです
毎日、毎秒、自分が自分を責め続ける牢獄への終身刑送りです

もし全快したなら?
それはハッピーエンドです
でも映画の余韻はそうではありません
あくまでもアリシアにだけへの「汚名」を晴らすまでで終わったのだと思います

そして本作の敵はナチスドイツの残党ですが、実は米ソ冷戦の始まりをテーマにしていた映画たったのだと思うのです
だからハッピーエンドはヒッチコックの狙いでは無いと思います

公開年の1949年はNATO結成、ベルリン封鎖、東西ドイツ独立という冷戦の始まりの年でした
日本では下山・三鷹・松川と相次いだ国鉄関連事件があった年
これも東西冷戦の最前線で起きた謀略事件だったのでしょう
そして翌年には朝鮮戦争が勃発するのです
でもヒッチコックの頭の中には欧米での東西冷戦しかなく日本のにの字も無かったのだと思います

あき240
2024年5月23日

共感します。でも、バーグマンは残念な事になるでしょうね。
この事件が日本の裏側って嫌味なんでしょうか?

アンドロイド爺さん♥️