劇場公開日 2000年4月29日

オール・アバウト・マイ・マザーのレビュー・感想・評価

全25件中、21~25件目を表示

3.5人の闇と、闇の中の人

2014年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )

 全編に流れる音楽が緊張をはらんだ冷たく澄んだ空気を作り出している。本来あまり表面に出てこない社会の闇に生きる人々や、日向に生きる人々の闇を、その空気の中に一切隠すことなく映し出す。同性愛や麻薬といった本来普通じゃないことが、普通のことのようにそのままこの世界を作り上げていて、それらをそれぞれの俳優たちによって上手に表現されていた。人生の全てだった子供を失い孤独を彷徨う母の物語も悪くないが、それ以上に次々に現れる非日常な人々の半生と空気が印象に残る作品だった。

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Cape God

2.5考えさせられる作品

2013年10月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

愛と性のありかたについて考えさせられる作品。男とか女とかってあり続けるのは難しい。
ペネロペクルスがでていたのに、びっくりした。

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あすまる

4.5一風変わった人生賛歌

2012年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

幸せ

 この映画は一風変わっている。スペイン映画で登場人物も奇天烈なキャラクターばっかり。でも現実離れしている訳じゃない。アルモドバル監督はそんな彼女たちを通して素晴らしい、女性のための映画を作り上げた。
 主人公のマヌエラは基本的には明るい女性である。しかし、それとは正反対に彼女はいつも息子の死から立ち直れないでもいる。彼女の周りにいる友人たちも皆ワケあり。ウマはレズビアンの大女優でヤク中の彼女に振り回されてばかり。しかもマヌエラの息子の死の原因である。シスター・ロサは尼僧なのに妊娠、しかも相手はマヌエラの元夫(今は女)でありエイズまで移されている。これだけ聞くとなんだか重い話に見えるが、ここにもう一人アグラードがいる。彼女はゲイの男娼であり、いつも男に殴られてばかり。でも最高に楽しい人物でもあり、ある意味彼女こそがこの映画の象徴とも言える。特にウマが自らの舞台に急遽出演できなくなった時に、アグラードが出演するエピソードにすべてが詰まっている。
 ありがちな「お涙ちょうだい」映画みたいに無理矢理涙を誘うわけではない。楽しさの裏に悲しみを潜ませながら、それを打破しようとする女性達への人生賛歌なのだ。
(11年4月4日)

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キューブ

4.0アルモドバルは天才か?変人か?

2012年3月11日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

これ程に奇怪なストーリーを大真面目に描くアルモドバルは変人か?天才か? 息子の死をきっかけに目をつむってきた自分の人生と向き合うマヌエル、妊娠をして母として新たな人生を歩もうとするロサ、自分の過去を受け入れて恥じることなくさらけ出すアグラード、全ての母なる女性達に送る讃歌だとアルモドバルは高らかに描き出す。
そして、この作品自体にも生も死も人間の多様性も人生のすべてを包み込むような温かさがある。
深刻な場面もそうでない場面もシリアスに描くことでラストシーンをより際立たせ観客を笑顔にさせる。 また、幸せの掴み始めの他愛ない会話で映画は終わり人生の継続性を感じさせる。
所々にも温かさを感じさせる演出が素晴らしい名作。
やはり、天才と変人は紙一重か。

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keita

3.0赤道直下の光合成

2008年1月4日

泣ける

「トークトゥーハー」でも知られるスペインの巨匠、ペドロ・アルモドヴァル監督作品。主人公の、すさまじいほどの心の広さ。それは女性の母性。彼の女性への尊敬のまなざしが全編に満ちている、まさに女性賛歌の映画といえるだろう。アカデミー外国映画賞受賞作品。

残念ながらこの映画(脚本)自体はあまり自分はグッとこなくて(たいていの男性はそうらしいけど)、ただラテンのスピリットみたいなところは、ちょっといーなーと思う。どんな嫌なことも、悪いことも(しかもほとんどが自分の努力ではどうにもならないことだ)、すべてをいったん「許して」、さからわず、受け入れて、でも人生楽しいほうがいいだろーよ、と振舞うというあの国々の人々の雰囲気は結構好き。高く飛ぶには一度大きくしゃがまなくてはならないのだ。

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ひらつか