オーケストラの少女のレビュー・感想・評価
全7件を表示
ファンタジアでは、シルエットだけだったが、完全な姿が拝める
チャイコフスキーの5番で始まり、乾杯の歌で終わる。
夢の様な映画だ。ちょっと古すぎるから音がね。
レオポルド・ストコフスキーの指揮をする姿と言えば、ファンタジアだが、すくっと姿勢良く立って、顔をやや上げ気味で指揮をする。ファンタジアでは、シルエットだけだったが、完全な姿が拝める。歴史に残る映画だ。もっとも、レオポルド・ストコフスキーは、色々な事に挑戦していたので、玄人すじでは、アイドル指揮者と思われていた。しかし、そんなこと関係ない。
映画の内容も実に功利主義的で、アメリカらしくて面白い。頑張っている姿が健気で、実に笑える。
お茶の間向きの楽しい映画
古〜い映画だけれど、本物の指揮者が、映画の中にチラ見せではなく重要な役で登場し、ちゃんと指揮棒も振ってくれる。すごく贅沢。
彼にアプローチしていく過程がけっこう爽快で楽しい。リハーサルを観客席で一人で見させてもらうとか、一流オーケストラの伴奏で自分の歌を聞いてもらい評価してもらうとか、気楽に取った電話でのひとことで世論を動かしちゃうとか。やってみたくても普通は出来ないことが、この元気で真っ直ぐな女のコがやれば、スルスル魔法のように出来ちゃう。
個人的には全体の騒々しさとおめでたすぎる面がちょっと気になるけれど、それは個人的な趣味の問題で、これはこれで完成度が高いのかな、と思う。
名作
フロスト夫人のスポンサー申し出は単なる酔狂だったのか?夫ジョン・フロストは出資を頑なに拒否し、失業者楽団は路頭に迷いそうになる。「有名な演奏家や指揮者を見つければ別だ」という言葉に対して、想像はつくが荒唐無稽の行動に出るパッツィ。
レオポルド・ストコフスキーの演奏会、リハーサルも素晴らしいが、フロスト(ユージン・ポーレット)、フルートのマイケル(ミッシャ・オウア)やタクシー運転手(フランク・ジェンクス)などの脇役陣がストーリーを引き締めている。有名な音楽家、指揮者に出演依頼するという後半のプロットは『かれらに音楽を』にも使われるが、こちらは新聞社の勘違いというサイドストーリーもパンチが効いている。
かなりコミカルな展開なのも、飽きずに観られる。大不況時代に夢を見失った失業者たちに勇気を与えてくれる映画。アイドル映画と評されても仕方がないけど・・・
溌剌と活躍する少女の歌と行動力
ディアナ・ダービンの純真さと誠実さが報われるアメリカ音楽映画の明朗さと愉快さ。映画のひとつの理想の形と表情を持っている。アドルフ・マンジューとミッシャ・オウアの失業演奏家の哀歌。名指揮者レオポルド・ストコフスキーの威厳。最後まで無駄のないカット編集で引き込まれる。人を愛し大切にする人たちが音楽で結ばれる脚本の素晴らしさ。
ストコフスキーがプロオケを指揮しているところから始まり無職オケで指...
ストコフスキーがプロオケを指揮しているところから始まり無職オケで指揮しているところで終わる。ある出来事について話をまともに聞かないことによりストーリーが発展していくのだが話の展開や音楽、個性的な登場人物(タクシーの運転手を筆頭に)で何より女性が大活躍しているのがいい。
音楽映画の名作
音楽映画の名作中の名作です。
大指揮者ストコフスキーの全盛期を映像で見られるだけでも嬉しいのですが、観た人をハッピーにさせるだけのパワーがあります。
嘘が嘘を呼びながらも誠になる可笑しさ、何でも歌にしてしまうタクシー運転手や常に悪戯ばかりしている大金持ち役の名脇役ユージン・ポーレット等のキャラクター設定の妙は、当時の世相の深刻な悪化を考えれば信じられない程の事でこの脚本は凄いです。
‘音楽がある生活’がどれだけ豊かな社会を作り上げるかを教えてくれます。
それは最後にディアナ・ダービンが歌の途中で父親役のアドルフ・マンジューに「笑って!」と合図を送る所からも伺えます。
今は何でも揃う時代なので若い人にはどう映るのかは解りませんが、終盤でストコフスキーに自分達の“音”(想い)を知ってもらう為に必死になって演奏する熱い場面での出演者の生き生きとした顔のカットバツクに、階段を生かした人物の配置と素晴らしいクレーン撮影と演出力は何回観ても感動的です。
全7件を表示