「近代社会成立前の最後のカタルシス」大いなる西部 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
近代社会成立前の最後のカタルシス
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 70
広大で可能性を秘めているとはいえ厳しい開拓の前線。そして国家が成立して文明化されてきているとはいえ、東部から見ればまだまだ正義や法治や秩序が確立しきれていない辺境の世界である。だからその世界に生きるのは簡単なことではないし、勇気や行動力や力が要求される。
秩序のいち早く成立した東部からの男がそのような西部の混沌の世界にやってくる。それはまるで西部の混沌の世界が終わり、秩序だった近代社会に変わる前触れであるかのようである。しかし最後には結局は暴力による悲劇的浄化が必要なのだろうか。銃撃戦の結末は都合が良すぎるようにも感じて個人的にはそんなうまくいかないだろうと思ってしまい評価にマイナスなのだが、それも西部劇のお約束なので仕方ない。
個人的には敵対する大地主ルファス・ハナシー役を演じたバール・アイヴスが、頑固で古い人ではあるものの筋の通った男ぶりを見せていて悪くないと思った。
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