「「風と共に去りぬ」の後の南部」大いなる男たち よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
「風と共に去りぬ」の後の南部
南北戦争が終わって、私費で戦争に参加していた南軍の将校は自分の農場に火を放ってメキシコへ落ち延びる。
「風と共に去りぬ」のラストでは、戦争で焼け落ちた南部の街を背に女主人公が復興と人生の再生を誓う。だが、この映画の前半では、自らの手で屋敷を焼く男の姿が描かれる。
男って、負けに弱い。それに比べて女は負けてからが強い。
そんなことを思いながら映画を最後まで見ると、この映画が描こうとしていることが「いかに負けるか」ということであることに気付く。
メキシコ革命軍に騙されて、3000頭の馬を差し出してもらうように、かつての敵に頼まなければならない屈辱。この南軍の将校にとっては二度目の敗北である。
しかし、今は除隊した北軍の将校もまた、その敗北にとことん付き合うという気風の良さを発揮する。
彼は映画の冒頭で、南軍のリー将軍が三日前に降伏していたことを知らずに南軍の防衛線を攻撃している。多数の南軍兵士が戦死したことが無駄死にであることを知った彼は、ここで戦争の無意味さを痛感したに違いない。
それに、勝利した側で戦った彼にしても、一体何が手元に残ったというのか。70人いた部下は10名までに減ってしまった。
メキシコ革命という他人の戦争に巻き込まれ、漢気を貫くことを選んだ者たちの、粋な負けっぷりを描いている。
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