「う〜ん、時間泥棒か?」桜桃の味 bull&hanaさんの映画レビュー(感想・評価)
う〜ん、時間泥棒か?
「友だちのうちはどこ?」も、たかだか2、3㎞の村や森の中を行ったり来たり・・・
こちらも、ひたすら(多分)2、3㎞の風景の中を行ったり来たり・・・
見終わって、しばし、いや、これからもずっと、言葉がない・・・
う〜ん、これは、私の時間泥棒か・・・
クルド人の若い兵士の運転席側からの横顔が美しい。
アフガン人の神学生の、黒い瞳と、黒い眉と、黒々とした髭が美しい。
友だちのうちを探す少年の瞳が美しい。
みんな死ぬことの、本当の怖さを知らない若さ、というか、それこそが、美しい。
生の頂点から、死に向かう坂道を転げ落ちるような頃から、美しさは、それこそ、死の怖さと引き換えのように、はがれとられていく。
あえて言えば、そんな感じか、私にとっては・・・
美しいものは、やっぱり美しい。
それにしても、やはり、アッバス・キアロスタミ監督は、馬鹿な私のような人間には、非常に意地悪で、狡猾な、時間泥棒としか言いようがない。
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