桜桃の味

劇場公開日:

桜桃の味

解説

イランの名匠アッバス・キアロスタミが監督・脚本を手がけ、1997年・第50回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた人間ドラマ。人生に絶望した男が老人との出会いを通して希望を取り戻していく姿を、繊細かつ大胆な演出で描き出す。土埃が舞う道を走る1台の車。運転する中年男バディは街行く人々に声をかけては車内に誘い入れ、多額の報酬と引き替えに自殺を手伝って欲しいと依頼する。クルド人の兵士もアフガニスタン出身の神学生も拒絶するが、最後に乗せた老人バゲリは依頼を承知の上で、自分の過去についてバディに語り始める。特集企画「そしてキアロスタミはつづく」(2021年10月16日~、東京・ユーロスペースほか)にてデジタルリマスター版を上映。

1997年製作/98分/G/イラン・フランス合作
原題または英題:Tame gilas
配給:ユーロスペース
劇場公開日:2021年10月17日

その他の公開日:1998年1月31日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第50回 カンヌ国際映画祭(1997年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール アッバス・キアロスタミ

出品

コンペティション部門
出品作品 アッバス・キアロスタミ
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(C)1997 Abbas Kiarostami

映画レビュー

3.5少し開いた車の窓。

2024年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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すっかん

4.5神映画だね!

2024年5月22日
PCから投稿

二十数年ぶりに再観、じっくり観たが若い頃には解らない事がじっくり伝わってきた!
アッバス・キアロスタミはあっ晴れな監督です、凄い!

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mucya

4.0人それぞれの「桜桃の味」

2024年4月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「桜桃の味」はイラン映画だ。だからどうした、と言われればそれまでなのだが、まだ血気盛んな生意気盛りの頃、イラン映画を観て「何だかよくわからなかった…」と意気消沈した記憶がある。というか、そんな記憶しかない。
そんな私だから「桜桃の味」を観よう、という運びになって感じたプレッシャーは並大抵のことじゃない。趣味なんだから、重圧を感じるくらいなら観なきゃいいのに、おかしな話ではある。

結果から書くと普通に、いや思ってた以上に面白かった。そしてそれは「桜桃の味」という映画が持つメッセージともシンクロした体験だった。

自殺を助けてくれる人物を求め彷徨うバディ。狭い車中と土埃の立つ剥き出しの山道。閉ざされた世界と荒れ果てた風景。
最初に車に乗せたクルド人兵士は逃亡し、次に乗せたアフガニスタン人神学生とは山中の小屋で別れた。二人に協力を断られた後、どうやらトルコ人の老人が手伝いをしてくれるらしく、バディの車は彼を送り届ける為に街へと向かう。
このゲバリという老人が登場して、映画は大きく転換する。

有り体に言えば、ゲバリの話を聞くうちバディの心に変化が訪れるのだが、その演出が良い。
乾いた不毛の世界から生命力溢れる街へとナビゲートする道のり。
二人を乗せた車は樹のある方へ、花のある方へ、家のある方へと進んでいく。全面荒れ果てた世界だと思っていたのに、よく見れば世界は枯れてなどいなかった。

カップルに写真を頼まれたバディは、運転席の窓ガラスを5センチほど更に開ける。たった5センチ広げるだけで二人の笑顔が、満開の花壇をバックにはっきりと目の前に現れるのだ。
ほんのちょっと視野を広げただけで、世界は美しい事に気づくことが出来る。

映画に対する心構えも同じ。「難解だ」という色眼鏡を外して、ほんの少しおおらかな心で臨めば、見えていなかった美しい映像が物語の世界に連れていってくれる。
私にとっての「桜桃の味」とは、どうせわからないからと諦めていた映画に、本来の映画を観る楽しみを思い出させてくれた体験なのだ。

蛇足な上に掘り下げきれないのだが、イラン映画には「政府批判」が織り込まれていることが多い。冒頭の職を求める働き盛りの男性の多さは、イランが抱える問題をさりげなく写し込んでいるのだろう。
バディにイラン男性の証とも言える「髭」がないのは、完璧を求める事への疲弊や、イランの現状が完璧たり得ていないことの現れのようにも思える。
クルド人やアフガニスタン人に協力してもらえない、というのもイランにイスラム国家の盟主としての魅力がない、という批判のようでもある。

「桜桃の味」の裏テーマを読み解けるようになるためには、もっと視野を広げる必要がありそうだ。

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つとみ

3.0んむ

2024年2月3日
iPhoneアプリから投稿

『旅の途中で、死んではいけない』

ラストのオフショットでは度肝抜かれた。

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JYARI