エンブリヨ
劇場公開日:1977年10月8日
解説
胎児が『成長ホルモン』により、4週間半で成人化したことから起こるSFサスペンス映画。製作総指揮はサンディー・ハワード、製作はアーノルド・H・オルゴリーニとアニタ・ドーハン、監督は「ソルジャー・ブルー」のラルフ・ネルソン、脚本はアニタ・ドーハン(ノヴェライゼーション/ルイ・シャルボノー著・番町書房刊)、撮影はフレッド・コーネカンプ、音楽はジル・メレが各々担当。出演はロック・ハドソン、バーバラ・カレラ、ダイアン・ラッド、アンヌ・シェディーン、ジョン・エリック、ジャック・コルヴィン、ヴィンセント・バゲッタなど。
1976年製作/アメリカ
原題または英題:Embryo
配給:ジョイパックフィルム
劇場公開日:1977年10月8日
ストーリー
深夜、雨の中を帰宅中のポール(ロック・ハドソン)は犬をはねた。いそいで、傷ついたその犬を自宅に連れて帰ったポールは、自宅の実験室で治療するが、そのかいもむなしく犬は死亡。だが犬の腹の中には3匹の胎児がいた。人工子宮の容器の中にいれた3匹のうち、やがて、1匹だけが生命をとりとめる。早速、ポールは成長ホルモンをこの胎児にあたえた。2日と15時間で大きくなった胎児。この実験に自信を持ったポールは、人間の胎児の実験準備にとりかかる。彼の友人ジム(ジャック・コルヴィン)が院長をつとめる病院から、用だててもらうメドはついた。ただし、絶対に病院に迷惑はかけないという条件で。数日後、ジムより自殺未遂の女性の胎児があるとの連絡が入った。ポールは、いっしょに住む今はなき妻の妹マーサ(ダイアン・ラッド)にも内緒で、実験を開始する。やがて、人工子宮の容器の中で、胎児は赤ん坊の産ぶ声を上げた。出産状態だ。だが、成長ホルモンの投与を止めても、赤ん坊の成長はこれだけにとまらなかった。1日で1年分、2日で2年分と、急速な成長が続く。ついに4週間なかばにして、成長は止まった。すでに成人と化した1人の女性がそこにいる。ポールは彼女にビクトリア(バーバラ・カレラ)と名づけた。鏡をかじったりする彼女。まだ知能は赤ん坊であった。翌朝、マーサは友人と旅に出た。ポールはビクトリアに特訓を始める。彼女の理解力、記憶力は抜群だが、道徳的なものが理解できない。「私、人間じゃないのネ」と自分の成長過程を知ってつぶやく彼女に、ポールは返す言葉もなかった。やがて、パーティに出席したりする彼女は、ある夜、男女関係を知るため、ポールを求め、そして愛を知る。が、ポールの寝ている間に、彼女を腹痛がおそった。早速、実験室で、自分をチェックする彼女。細胞が老化しているのだ。彼女は抑制剤を打ち、その場は一時しのいだ。翌日、彼女はパーティで知ったコリア(ヴィンセント・バゲッタ)の会社を訪れる。コンピューターを用いて、昨夜の原因をくわしく知るためだ。解毒剤としては、未出産胎児から抽出せる脳下垂体液70ミリリットルを用いること。ビクトリアは茫然とその場を去った。彼女の存在に疑問を持ち出したマーサを殺し、ビクトリアの胎児狩りがはじまった。初め、金でかった売春婦より胎児摘出に失敗した彼女は、ポールの息子の嫁ヘレン(アンヌ・シェディーン)を捕えた。妊娠5カ月のヘレンの胎児を摘出するためだ。ポールは息子ゴードン(ジョン・エリック)と共に、自宅へもどった。そこで2人の見たものは、帝王切開されたヘレンと、実験に失敗し老いていくビクトリアの姿だった。愛にめざめたビクトリアは車で逃げた。そして、実験に失敗し、彼女を殺す決心をしたポールがあとを追う。カー・チェイスの末、ポールは今や老女と化したビクトリアに追いつき、彼女をしめ殺そうとする。そして、それを止めに入った警官たちの前で、ビクトリアは1人の赤ん坊を残し、死んでいった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ラルフ・ネルソン
- 脚本
- アニタ・ドゥーハン
- 製作総指揮
- サンディ・ハワード
- 製作
- アーノルド・H・オルゴリーニ
- アニタ・ドゥーハン
- 撮影
- フレッド・コーネカンプ
- 音楽
- ギル・メレ
- 字幕
- 野中重雄