「真の記録映画と言えるだろう」エルビス オン ステージ Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
真の記録映画と言えるだろう
1970(日本1971)年公開。
約50日間(1970年7月19日〜9月9日)にわたり、
「キング・オブ・ロックンロール」と呼ばれたエルビス・プレスリーに密着し、
◆スタジオリハーサル
◆楽屋インタビュー
◆ゲネプロ
◆公演本番
の模様を収録した貴重な記録映画だ。
おそらく、映画用の演出はあまりなく、
自然体のビッグスターを間近に感じることができる。
「真の記録映画」と言えるだろう。
嬉しいことに、
全編を通じて51曲も収録されている。
アーティストとして、
最も脂の乗った時期だったのではないか。
音楽を愛し、音楽に打ち込む姿が印象的だ。
この映画の7年後、1977年に
彼は42歳という若さでこの世を去るが、
その直前は、映画の時より明らかに肥満体になり、
大汗をかきながらステージに立ち、
見ているだけで暑苦しい印象だったことを記憶している。
本作の中のプレスリーは、
まだシャープで男からみてもカッコいい。
ビートルズ初期は、
マッシュルームカットにお揃いのジャケットを着て、可愛らしいアイドルのような感じだったのに対して、
プレスリーは、
セクシーさを全面にアピールしており、ファンの女性たちもビートルズと比較して、若干だが、”おねえさま” が多いイメージがある。
ライブ本番の映像は隔世の感がある。
コロナ以後ではあり得ない姿に唖然としてしまった。
曲の合間や、間奏を利用して客席におりるプレスリーに客が殺到するのは仕方ないとして、
大半の女性たちは、キスをせがむのだ。
ほっぺにチュ、ではない。
マウストゥマウス、です。何人も続けて。
プレスリーは、イヤな顔ひとつせず
歌の合間にキスをして、
キスの合間に歌っている。
「握手会」どころか「キス会」のようだ。
ファンサービスって、
ここまでしなくちゃいけないのか…
常軌を逸してるような感じさえした。
見ていて痛々しくなった。
プレスリーファンにとって、☆5.0
私はビートルマニアなので、☆4.0
ごめんね(笑)