エメラルド・フォレストのレビュー・感想・評価
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異端とは・・
アクションやアドベンチャー要素も多少はありますが娯楽作品というより、ジョン・ブアマン監督の骨太なメッセージ性が際立ちます、人としての生き方の根本を問うようでもあり、痛烈な映画でした。
(以下ネタバレ)
7才でアマゾンの原住民に誘拐された息子、10年の捜索の末やっと出会うが息子は原住民に同化し逞しく成長していた、複雑な父子の心境は如何に・・。
製作・監督のジョン・ブアマンは実際にあった誘拐事件を軸に文明人の一方的論理で大自然に介入することへの警鐘を鳴らしています。劇中で原住民は白人たちを森を壊す白アリ族と称します。
ただ現実的には自然破壊と産業開発の二項対立の構図、人の営みに於いて文明的であること原始的であることの是非、幸不幸を単純に結論付けることは至難の業です。
基になったのはロサンゼルスタイムズ(1972年10月8日)の記事でペルー人の製材業者の7才の息子が原住民に誘拐され11年目に発見されたという報道でした。息子は部族と暮らす選択をしましたが後に家族の元に還ったようです。
ダムのモデルは1984年に稼働したツクルイダムで決壊はしていません、アマゾンで大規模なボーキサイトの鉱床が発見されアルミ精錬の為の電力供給元として日本のODAで作られたそうですから日本人としては映画を見て複雑な心境であることは否めませんね・・。
原住民の生活を描くので半裸であることは必然なのでしょうが明らかに原住民には見えないので刺激的、後に少女たちは別の部族に誘拐され白人の淫売宿に武器の代金として売られるのですが、卑しさにおいて原住民も白人も大差ない罪深さに唖然とします。
それにしても子供の順応性、生命力には驚嘆しますね、よく生き残ったものです。主人公の青年トミーはジョン・ブアマン監督の息子さんです、過酷なジャングルでの撮影で傷だらけになったようです。別の意味でもう一つの父子物語が裏にあったようですね。
アマゾン版ジャングルブックというには条件が違い過ぎますね、全く別の映画なのですが種族を超えた恋愛感情と言う意味では「アバター(2009)」に似たような味わいもありました、本作に触発されたのでしょうかね・・。
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