SOSタイタニック 忘れえぬ夜のレビュー・感想・評価
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タイタニック号事故を正攻法で描いたイギリス映画
豪華客船タイタニック号の悲劇を正攻法で描いたイギリス映画的律儀さが特徴。後のアメリカ映画「タイタニック」と比較しては、スケールの点で大分見劣りはするが、特定の登場人物のドラマ性より群集劇として捉えた客観的な視野が勝り、地味な緊迫感がある。救助に向かうカルパチア号と救難信号に気付かないカリフォルニア号の比較カットバックも効果的に処理されて、不運の連鎖による悲劇が浮かび上がる。歴史的教訓のメッセージも静かに語られる。文明発展における人間の自然に対する傲慢な姿勢を問うて、当時の階級社会への批判はない。これは、同じ20世紀後半に作られた映画ながら、作品のコンセプトと共に時代の変化も汲み取れるのではないだろうか。三等船客の乗客が、脱出する途中で一等デッキのダイニングルームに出くわし、その豪華さに一瞬足が止まってしまうカット。ここに、階級社会を是認する制作当時の社会通念を確認するのである。
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映画『タイタニック』を何度も観ているために、こちらの記憶がほとん...
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