劇場公開日 1976年4月10日

「 上半身裸で図書館の前に2日間も突っ立っている男カーソン。バロンを...」SF最後の巨人 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 上半身裸で図書館の前に2日間も突っ立っている男カーソン。バロンを...

2018年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 上半身裸で図書館の前に2日間も突っ立っている男カーソン。バロンをリーダーとするコミュニティは敵対する暴力好きのキャロット(ウィリアム・スミス)たちから守るため好条件で彼を雇い入れる。バロンたちは娘のメリンダ(マイルズ)の夫カルが栽培するトマトや新種の穀物を配給制で生活しているのだが、食うだけで精いっぱい。途中、幼子のいる夫婦が粉ミルクを求めて敵対するグループのビルに侵入して殺されることでバロンの意志は固まった。娘と生まれてくる赤ん坊のためというエゴもあったが、人類の未来のために穀物を栽培できる島へと託そうとしたのだ。

 トマトをめぐってコミュニティ内の裏切り、粛清。やがて、用心棒と自分の娘を脱出させたことで、民衆は怒り、バロンを殺してしまう。終盤は地下鉄跡での2人の脱出劇。メリンダの陣痛が始まり、やむなく地下鉄内で出産。そしてキャロットたちが赤子の泣き声を聞いて追ってくる。カーソンとキャロットのガチ対決が見もの。鉄球を振り回し攻撃するキャロット。カーソンは得意の短刀を振り落とされ、手首に鉄球のロープが食い込み、キャロットが落下寸前。どうすることもできなくなって、カーソンは自分の手首を切り落としてしまうのだ・・・おぞましい。そして最後には未来への希望を見せてエンディング。

 アメリカ映画にしては銃がまったく出てこない珍しさ。斧やボウガンと鉄球、対するはナイフ。そして手首切り落としの見せ場。荒廃した世界観も廃墟と化した地下鉄のセットもよかったけど、全体的には不満足。『燃えよドラゴン』の監督だけど、一発屋監督だったのね。

kossy