劇場公開日 1981年10月10日

「ファンタスティック・アーサー」エクスカリバー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ファンタスティック・アーサー

2018年11月6日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

寝られる

数あるアーサー王伝説映画の中でも本作は割りと昔から知っていて、勝手に名作だと思ってた。
今回初めて見てみたら、これが昨年公開されたガイ・リッチー監督作とどっこい。
もっとこう、格調高い英雄譚かと思ったら、なかなかの珍品中世ファンタジー。

父王~アーサー生誕から始まり、エクスカリバーを引き抜き、やがて偉大な王へ。
導く魔法使いマーリン、忠誠を誓うランスロットら円卓の騎士、妻グエネビア。キャメロット城。
有名なエピソード、登場人物。波乱に満ちた生涯。その最期まで、アーサー王の物語が一通り描かれている。
自分のようにアーサー王伝説についてよく知らない者にとっては有難い作りなのかもしれないが、豊富なエピソードを詰め込み過ぎてダイジェスト的になって、結局イマイチよく分からぬというあるあるに。
また、太古の大昔から存在する聖剣、魔法、万物の精、魔力などのファンタジー要素が本作をエンタメにする所か、トンデモな作風に。
脚色や創作ばかり目立ち、アーサー王の真の姿が全く伝わって来ない。

スケールは充分、映像もファンタスティック。
それらは悪くないが、演出やテンポは決していいとは言い難い。時の経過も雑。
特に残念なのは、アクションの迫力や迫真さが決定的なまでに欠けている点。スケールは充分なのに、史劇スペクタクルの醍醐味もあったもんじゃない。
失笑してしまいそうなシーンも所々に。
エクスカリバーを引き抜くも、一旦元に戻し、また引き抜くシーンはコントかと思った。
グエネビアとランスロットの不貞は官能的(?)な全裸ラブシーン。
異父姉の魔力シーンは怪作の極み。
途中から迷走半端無い。
アーサー王を演じたナイジェル・テリーは最初はミスキャストと思ったが、徐々に様になってくる。
キャスト面でのお楽しみは、ヘレン・ミレン、ガブリエル・バーン、パトリック・スチュワート、リーアム・ニーソンらの若かりし頃。

そこそこ楽しめる点もあったが、トータル的に見れば、ダラダラと退屈で面白味に欠けた。
期待外れのアーサー王伝説であった。

近大