エイリアン2のレビュー・感想・評価
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力強く説得力のある女の戦い
女性が主役のアクション映画が増えてきた昨今、未だにこの映画を超えるものは見たことがない。
蚊みたいな手足をした女がわざわざ倒れてくれる屈強な男達相手に適当に殺陣をして調子に乗る、そんな映画に今いちピンと来ない(ジーナカラーノやロンダラウジーは別として)。
本作のリプリーは過去のトラウマから鬱々としているものの少女出会う事で覚醒、もともと不本意で巻き込まれる形だったエイリアンクイーン(こちらもまた母である)率いる怪物軍団とのコズミックバトルに自ら挑む事になる。
赤の他人である少女のためさながら母のように戦いを挑むリプリーの女性像はなんと説得力のある事か。また、同じく母であるエイリアンクイーンとのラストバトルでは女対女のガチンコの対決が描かれおり、殺陣自体は時代を感じるものの妙な迫力と凄みを感じ、今だに見応えがある。
私は別に子供を産んでいる女性は素晴らしいとかそういう古臭く息が詰まる話をしたいのではない。
誰かや何かを慈しむ、その力を私は女性性として捉えており、その力は女性男性問わずあらゆる人間に存在しているはずである。その割合は違えど。だってそういう思いやる力がないと社会成り立ってないだろ?現在がどうであれ。
その力を力強く描き切ったとして本作を評価したい。
清々しいまでにアメリカ
本作には多様な側面がある。
一つ、ブロックバスター映画としての側面。これはもう別に言うまでもない。「監督:ジェームズ・キャメロン」の時点で語るに落ちている。当時の最新技術をふんだんに駆使した映像は今見ても美しく重厚だ。事あるごとに爆破シーンがあるのも大層景気がいい。
一つ、家族映画としての側面。リプリーとニュートの関係は、単なる利害関係を超越した家族的連帯だ。終盤の脱出シーンでニュートが排気口の隙間から下に落ちてしまったとき、リプリーは隣にいたヒックスに一言もかけ合う間もなく彼女を助けに戻る。その後、リプリーはエイリアンの繭から救出したニュートを連れて出口へと向かうのだが、そこでクイーンエイリアン&無数の卵と出くわす。こいつらはおそらくリプリー&ニュートが結んだ擬似家族と対を成す存在だ。クイーンエイリアンとその無数の卵は言うなれば本物の家族だ。それゆえリプリーもはじめは火炎放射器の発射を躊躇うかのように後ずさる(単に敵との距離を取るためというのもあるだろうけど)。しかし最後には覚悟を決めたようにクイーンエイリアン共々無数の卵を焼き払う。血縁の強さでは負けても気持ちでは負けないというリプリーの母としての決意がそこには表れているようだ。全ての戦いが終わったとき、ニュートはリプリーと抱き合いながら彼女のことを「ママ」と呼ぶ。リプリーが一方的に仮構していた家族絵図はニュートにも受け入れられたのだ。
一つ、ウーマンリブ映画としての側面。リプリーの機知と度胸に富んだ行動を見ればそれは明らかだ。後半の銃火器ぶっ放しシーンももちろん爽快だが、個人的には兵士たちがエイリアンの巣に誤って突入してしまうシーンが印象的だった。部下の兵士たちは次々とエイリアンに殺されていくが、素早く判断を下すべき立場の上官はアタフタするばかりで何もしない。リプリーがたまらず「撤退させて!」と叫ぶと、上官は「黙れ!」と逆ギレ。誰に対してもこういう態度なら単なるキレ体質でしかないのだが、リプリーではなく横にいた男(バーク)の言うことはおとなしく聞くあたりタチが悪い。しかし結局最後はリプリーの勇気ある行動で兵士たちは難を逃れる。はじめこそいかにもホモソーシャルなノリの排他と冷笑でリプリーを小馬鹿にしていた兵士たちも、以降は彼女に一目置くようになる。
ただまあこれらを総括してみたときに、なんとなく引っかかりを覚えるのも事実だ。たとえばリプリーとニュートの家族物語は美しいが、全ての家族をエイリアンに惨殺された少女に、会って半日の成人女性に「ママ」と呼ばせてしまうのは過剰演出なんじゃないか。そこは擬似家族のまま終わらせて、あとは映画の外側でより深い関係を築いていってもらえばいいじゃんと思ってしまう。また、男を一切必要としないリプリーの活躍ぶりも確かに素晴らしいのだが、リプリーを演じたシガニー・ウィーバーは銃規制推進論者だったという。本作はそんな彼女に銃火器を持たせ、あまつさえ何匹もの生物を殺害させてしまっている。けっこう酷い。しかしこれらの懸念は結局のところ空前絶後の爆音とアクションによってうまいこと韜晦される。本当にもう清々しいまでにアメリカの映画だ。
一作目の『エイリアン』は静謐なクラシック・ホラーのきらいが強く、ゆえに本作と比べれば地味な仕上がりではあった。しかしリドリー・スコットは最後まで家族やら恋愛やらを取り入れなかったし、シガニー・ウィーバーに銃を撃たせなかった。短期的な快楽値でいえば本作が圧勝だが、ふと思い出したとき、アレすごかったな、と思うのはたぶん一作目だと思う。
タイトルなし(ネタバレ)
リプリーが以外にもパワーローダーを操作できて倉庫でこれをどこに?のヒックスとアル軍曹を笑わせるシーンがまさか伏線とはね、、、
ニュートの悲鳴からのエイリアンクイーンが振り向き返されてからのシャッターが上がる演出がカタルシス全開で全て持っていく。
惑星から脱出~大爆発からの白々しいエピローグのようなBGMが全世界を騙したと思ってる。
安心しきったところで、ビショップが~の展開で伏線が回収ってマジで最高過ぎる。
他にもリプリーの逞しさが光ったり、武装の格好良さなどマニア心をくすぐるシーンも多い。
何回でも見れるエンターテイメント性最高の作品。
エイリアン
「静」から「動」へ
前作よりパワーアップして面白かった。戦争映画のように、やるかやられるかであり、緊迫感連続と大迫力の戦闘だった。結局ほとんどがエイリアンに殺されてしまうが、彼らの死はまさに戦死であり、殉職である。一作目が頭で戦い、二作目は体で戦う感じである。別の表現をすれば、一作目が「静」的であり、二作目は「動」的であるとも言える。
エイリアンシリーズに止まらすSF最高傑作。
エイリアンシリーズではこの二作品目が一番好きだ。
監督もジェームスキャメロンとなりSF大作となった。
謳い文句も「今度は戦争だ。!」も作品をよく表している。
救出部隊として宇宙海兵隊が登場するが未来の世界なのに海兵隊としてしっかり存続している所も面白い設定だ。
ヘルメットもスタンダードなM1.M2ヘルメットではなく耳かけが浅い形状(WW2イギリス空挺ヘルメットに似た形状)もカッコいい。
メカ類もMICV(装甲戦闘兵車)以外は素晴らしい仕上がりと思う。
特にクイーンと対決にリプリーが使用するパワーローダーは本当にありそうなメカだ。
また、動体探知機もリアルでいい緊張感をだしていると思う。
海兵隊員のマイケルビーンと重そうな分隊支援銃を持つガンナー黒人女性のジェニット・ゴールドスタインも印象深い。
ストーリーも飽きさせない展開で戦闘シーンも迫力があり、見所が沢山ある。
エイリアンも一作目ではただ殺戮を繰り返すだけの生き物だがこの二作目は人間をただ殺戮するだけでは無く幼体の繭にする設定になっておりハチの様な生態になっている事が明らかになる所も面白い。
そしてなんと言っても「エイリアンクイーン」が美しくカッコいい。!
(私はガレージキット定価1万4千円で購入し作成したがターミネーターの模型共々、幼少の子供(ヒデゴン)に破壊された。)
ラストのリプリーが乗るパワーローダーとの母親対決はSF映画の歴史に残る名シーンと思います。
会社の同僚とエイリアン1か2か?どちらかいいか討論になった事も懐かしく思い出される。
(友人、知人共に2の方が好きと言う人が多かった。)
今見ても色褪せないSF映画の名作であり大作である。
自分の人格を変えた1本
思春期(小5~高3)の頃観た映画で人格変えられた映画の1本。
小学校低学年まで極度の怖がりで家が古かったせいか一人で仏壇の間の奥にあるトイレにいけないくらいに怖がりだった。
でも好奇心はあったので、当時親が借りてきたビデオ(本当のレンタルビデオ)を観てた。
はじめて観たのは小6だったか。
怖がりの自分でよく観れたなと思うが、当時は民放のロードショーでホラーやスプラッタをけっこう放送してたので観ること自体抵抗はなかった。
思春期にこれを観たら刷り込まれるよねー。
冷静さが我が身を助ける。
恐怖は感じて良い、パニックになるな。
会社人間はクソ。
そう刷り込まれてこの手の映画を繰り返し観たせいか怖がりの自分はすっかり逆に突っ込んでいく系になったし、小学生時は仏壇の前を通るだけでも怖かったのに大学帰省中は墓参りを深夜に一人で行く人間になってしまった。海外旅行も一人が基本。仕事の不測事態もワクワク感を隠せない時もある。
恐怖とパニックを切り離せるようになった、というかあまりパニックに陥らない耐性が出来た。恐怖映画で一番に死ぬのはパニック野郎という不文律は映画で学習して脳が覚えているのかもしれない。
恐怖との向き合い方を当時のハリウッド映画はバシバシ教えてくれたいい先生だった。
作りもんとは分かっているが、海兵隊より強いリプリーの姿には感動したし、最初は病みキャラだったのに後半ではリプリー姉さんの後ろを付けば安心と思わせる精神力の強さ。ここぞの時の動ける行動力と思考力、何回も惚れてしまいます。
ヴァスケスもカッコいい姉さんだったが思考が男というか海兵隊なのでかろうじて女性ポジで冷静で行動で皆を導くリプリーのリーダーシップはしびれました。あと基本的に地頭がいい。それは常に冷静で思考が回っているからと思う。
ひたすら騒ぐビルパクストンが頼りにならないノリだけ男を好演して逆に冷静になれるいい役回りだった。
マイケルビーンもこの監督の作品ではイケメンだけど主役の細い支え棒でしかなく脇役になってしまう絶妙さが素敵でした。
なん十回と観ていて今回5年ぶりくらいに観たけどやはり最高傑作です。
半端。 86年なら仕方ないか…
1に退屈なシーンは無い。それを超えられないのは所詮2のジンクスを抜けられていない。
エイリアンの脅威がぬるい。ゾンビ系作品と同じで、物量を増やして装備を充実させ人間に勝ち目を増やすと陳腐化する。エイリアン以外の緊張感も1に比べて浅い。
もちろんアクションとしてならバンバン撃って、バンバン倒す、そうしたいのは分かるが、エイリアンの恐怖を犠牲にしてその減った数値をアクションに変換したため、恐怖は下がり、半端なアクションが生まれた。
はっきり言って1の上手さには到底及ばない。1で出来た面白さの管理の上手さが2で出来ないのは、監督の技量の差か、また別の要因か。
いずれにしろ悪くはないが、昔の作品で、古典的で、コテコテだな、という印象。
王道
娯楽映画の手本
SFとしても見応えたっぷり
過去のトラウマとの対峙→仲間との出合い→冒険→守るべきものとの出会い→裏切り→絶体絶命→協力者に見守られつつ愛する者のため孤独な戦い→勝利&問題解決→余韻
宇宙人ババンギャーみたいなのが嫌いな人ですらもそこそこ楽しめる映画。低評価しようが無い。
ホラー映画からアクション映画へ
1のほうがホラー要素が強く怖かったですが、2のほうはホラー要素よりもアクション要素が多く観ていてテンションがあがります。
好みは分かれると思いますが僕はアクション要素が多い2のほうが好きです。1では主人公ただひとりしか助からなかったのに対し、2は4人も助かったのも良かった。特に移住民の唯一の生き残りの少女が助かって良かったです。
生き残るための戦い
エイリアンを葬ったシガニーウィーバー扮するリプリーは、冷凍催眠状態で救出されたが57年経っていた。しかし、会社からは宇宙船を爆破させた事を責められた。リプリーは説明に努めたが聞き入れられなかった。しかもLV426と名付けらるたあの惑星は植民地化されていた。ところが、LV426と連絡が途絶えたのでリプリーに航海士に戻って欲しいと依頼が来たので殺す事が目的ならと引き受けた。海兵隊に同行した。現地にはキャリーヘン扮するレベッカニュートと言う少女が生き残っていた。そして地球外生命体は無数にいた。果たしてリプリーたちは無事に戻れるのか? 前作にも増して迫力あったね。単に気味悪いだけじゃなくてシガニーウィーバーが頼もしく、生き残る勇気を感じたよ。
面白いのには間違いないが… リプリー、強すぎないか?今回は下着姿に...
リプリーは連絡が途絶えたあるコロニーを調査しに行くように請われた。 エイリアンに対する恐怖がトラウマになっているリプリーは絶対に行かないと固辞するのだが、最終的に義務感と使命感から承諾してしまう。
NHK-BSで映画「エイリアン2」を見た。
1986年製作/136分/アメリカ
原題:Aliens
劇場公開日 1986年8月30日
昨日の夜に1作目「エイリアン」をNHK-BSで放送していたのだが、見る時間的余裕が無かった。
無理してでも見ればよかったと今になって後悔している。
主演はシガニー・ウィーバー37才
ジェームズ・キャメロン監督32才
1作目「エイリアン」でたったひとり生き残ったリプリー(シガニー・ウィーバー)だが、催眠カプセルの中で57年間宇宙を漂流した後に捜索隊によって発見され宇宙ステーションに帰還する。
リプリーは連絡が途絶えたあるコロニーを調査しに行くように請われた。
エイリアンに対する恐怖がトラウマになっているリプリーは絶対に行かないと固辞するのだが、最終的に義務感と使命感から承諾してしまう。
コロニーはエイリアンたちの巣になっていて、十数人から成る海兵隊部隊はリプリーとひとりを残して再度全滅してしまう。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
クリエイティブスタンス
エイリアン2は二作目のジンクスを覆す傑作でしたが、そのコピーが「今度は戦争だ」でした。一般に、続編は、上回ることを期待されながら、上回ることが難しい挑戦です。しかし、エンターテインメントとして課せられる柳の下の泥鰌でもあります。
よって、「今度は戦争だ」は、物量を増加させざるを得ない二作目以降の宿命を、端的に表わしている、象徴的なコピーと言えます。すなわち、ほとんどの映画の続編たちに「今度は戦争だ」が使えるはずです。アクションだけでなく、オーシャンズやホームアローンでも大丈夫だと思います。
ただアバターのように、もともと物量が多かった映画には「今度は戦争だ」が使えません。またマッドマックスやブレードランナーのように、月日が隔たり過ぎている映画にも使えません。またキングコングや猿の惑星には、続編よりも刷新の意味があるはずです。
昔の安達祐実の映画「家なき子」も同じコピー「今度は戦争だ」だったようですが、テレビから映画への移行として「今度は戦争だ」が使われています。今度には「前回があっての今回」の意味があり、それがPRを成立させています。即ち「今度」が、前作を見ている人を対象にしているのは、言うまでもありません。
染之助染太郎という伝統演芸「太神楽」のコンビがおりました。お二人とも亡くなってしまいましたが、90年代にはしょっちゅうテレビで見かけた人気芸人でした。世代によっては全く説明の必要がありませんが、おめでたい席に必ず「おめでとうございます」と明るく叫びながら登場し、諧謔的な身ぶりで、和傘の上の鞠を回します。
ほとんどそれだけですが、場は確実に盛り上がります。お決まりで「いつもより余計に回しております」と言い、さらに場が盛り上がります。究極の王道芸でした。
映画の二作目以降が「今度は戦争だ」のキャッチコピーで伝えたいのは「前回よりもスゴいから見てね」ということに他なりません。ただ、それが「いつもより余計に回しております」の聞こえを持ってしまうのは、免れないところがあります。
師匠が「いつもより余計に回しております」と言えば必定の笑いにつながったのは、見る側に「余計に回しているから、だからなんなの?」という気持ちがあったからです。いわば無芸が、絶対的な強みでした。すなわち、和傘の上で鞠が回ったからとて、そんな素人芸のようなものを、見せられたからとて、いったい何がスゴいのか──という嘲弄が、笑いにつながっていたのです。
畢竟「今度は戦争だ」を「だからなんなの」と捉えてしまうなら、元も子もないわけです。そしてほとんどのばあい、じっさい元も子もないコピーと言わざるを得ません。
予算も増えより派手により過激に「余計に回」さなければならないのですが「余計に回し」ても、前回を超えられるとは限りません。それを、いちばんよく知っているのは観衆なのです。
現代社会において「今度」が期待よりも脱力を提供していることを、わたしたちは意外によく知っています。前回を知らないばあい、またターミネーターか13金のごとく繰り返しが繁多で、どれに対しての「今度」なのか解らないばあい、また「だからなんなの」と捉えるとき、「今度」は揶揄または自嘲として──しか機能しません。
たとえば政治の世界に置換するなら「今度は昭恵夫人の二万円だ」という感じでも使えます。
かれらが日がな、瑣末時にかかずりあっているおかげで、わたしは瑣末な映画レビューを投稿することにためらいを感じません。
転じて、政府批判をしたいわけではありません。わたしはそんな玉ではありません。永久に蝸牛角上の争いを続けてほしいと本気で願っています。
それほど親しくない相手に「またこんど」と挨拶するときがあります。場合によっては二度と会わない予定の人に対しても「またこんど」を使うときもあります。「今度」には次回を曖昧にする作用があります。おたがいに懲りていないことを「こんど」に託しつつ、もう嫌だなという気持ちで「またこんど」と別れます。これはたんに日本語の不誠実さを表わしているに過ぎず、複雑な心象でもなければ、わび/さびでもありません。
会社に、私より二回り年下で仲のいいアルバイトがいます。ちなみにわたしはほぼ50です。
彼はライアンゴズリングを知っており、ブレードランナー2049を見ていました。それだけでも驚きました。総じて若い人は映画を見ないものですから。
「むかしのブレードランナーは見た?」と聞いたら「え、あったんですか」とのこと。
ですが、2049も「僕にはだめでした」とのことで、過去作の説明も、へえという感じでした。
わたしは得意気に話したことを後悔しました。
わたしは自分がいたずらに年を食っていることを知っています。ブレードランナー、あるいはマッドマックスの前作を知っていたとして、いったいそれがどんな矜持になると言うのでしょう。
新しい世代には、その世代なりのとらえ方があります。今の人には今作こそ原体験であって、過去作を引き合いに語るのは下世話なことです。
「じゃあ今度見ときますよ」とは言ったものの、直感的に「あ、こいつぜったい見ないな」と感じました。「今度」ほど信用ならない未来はありません。
わたしたちがエイリアン2で知った、もっとも大事なことは、洋画が、ジンクスを覆してくるということです。手垢のついた素材を、ブラッシュアップしてくるという底力です。たとえばヒースレジャーのジョーカーを見るまで、いったい誰がアメコミのヒールに魂入れした意匠を見られると、予想したでしょう。
われわれは水戸黄門か大門未知子のごとく、なん度でも同じことを繰り返す「Productive Stance」しか知りませんでした。連続するものに「Creative Stance」があるなんて知らなかったのです。エイリアン2はそのパラダイムシフトの先鋒でした。
海兵隊のアホ
イギリス映画誌【史上最高の続編映画】
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