劇場公開日 1972年7月15日

「奇跡のような映画だと心から思う」美しき冒険旅行 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0奇跡のような映画だと心から思う

2018年10月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

なんだろう、不思議な魅力に溢れており
あっという間に終わってしまう
そして何か分からない感動のようなものが残る
良い映画に出会えた幸せの瞬間だ
奇跡のような映画だと心から思う

繰り返し鳴り写るラジオは何の記号だろう?
チューニングがずれた時、我々は心中しようとした父のようになる文明社会そのものの象徴なのだろう

ラストシーンの抱き合って頬にキスを交わす男女は10年後の姉弟の姿
そこにオーバーラップされる、美しき冒険旅行の記憶
二人の心の深奥に刻み込まれている様が美しく表現されている
その記憶は姉弟、そしてアポリジニの彼の三人ともが裸で水浴びして泳いだ記憶だ
そこに青年になった弟のナレーションが被さって終る
その裸での水浴びのシーンに本作のテーマが凝縮されている
このシーンを観るために、その美しさを理解出来るようになるために、それまでの100分は存在していた

あき240