「危険を冒して夢を追う利益至上主義者」ウォール街 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
危険を冒して夢を追う利益至上主義者
総合80点 ( ストーリー:80点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
生き馬の目を抜くと言われるウォール街の金融業界で、どんな手を使ってでも一攫千金の夢を追うのか、それとも地道に働いて平凡な人生を送るのか。マイケル・ダグラス演じるゲッコーの派手な生活と大きな仕事が輝いて見えるのは、チャーリー・シーン演じるバド・フォックスだけではないだろう。オリバー・ストーン監督は、何の生産活動もせずにゼロサムに過ぎない不正なマネー・ゲームに興じて濡れ手に粟の生活をするのではなくて(このゲッコーの主張には個人的に異論があるが)、積み重ねる労働の大切さを言いたかったようだ。しかしこれを見ていると夢を追いかけたくなる人々が多くなるというものだろう。
金融業界をこのような利益至上主義ばかりだという描き方には不満があり、これはウォール街の一面に過ぎない。だがこれもこの世界の一部であり、それを体現したマイケル・ダグラスと、夢を追い不正にも手を染めていくチャーリー・シーンの姿が生々しい。そして二人ともいい演技をしていました。彼らの絶頂期はこの時期ではないだろうか。
80年代なので損失補填があったり上司が責任をなすりつけたりとかなり職場の環境が悪いし、市場の立合いが電子化されてなかったりと時代を感じる。しかし今でも利益を求めて跋扈する姿は変わっていないだろうし、まだ観てない続編がどうなのか楽しみだ。
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