ウォーターシップ・ダウンのうさぎたちのレビュー・感想・評価
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よくできた物語だと思った。
急にウサギが死ぬシーンが多くて、びっくりするけどこれが自然の残酷さなんだと思う。
制作年に本当に作られたのかと思うほど作画が良かった。
BGMがほぼ同じものしか流れないのがツボでした
70点ぐらい。大人向けだと思う。
1973年にカーネギー賞とガーディアン賞を受賞したイギリスの作家リチャード・アダムスによる名作児童文学をアニメーション映画化、との事。
住んでいる巣穴に危険が迫っている事を察知したウサギたちは新天地を求め旅に出るのだが…って話です。
原作は児童文学らしいけど、コチラは大人向けだと思います。
綺麗な心を失ったり優しさを忘れた大人にこそ、観てほしいですね。
そして動物に優しい人が増えてほしい。
少し前に観た『太陽と桃の歌』で、ウサギが非道な扱いを受けていたのを思いだした。
ウォーターシップダウンのうさぎたち
かつて観た本作日本語吹き替え版、私的号泣ポイントが2箇所あって、神様にお願いするところとラストシーンですが、今回年齢を重ねており自分がどうなるのか興味深々で鑑賞。結果、涙少しで終わった。
畑さんのファンとかではないですが、ナレーションを娘さんにしたのは良かったように思え、それら全てを確かめるべく吹き替えバージョンをネット注文しました。果たしてまた号泣できるのか?「こんな風に死ぬんだ(希望)」と思えるのか?楽しみです。
アブラハムの一族の物語
人間の開発により故郷の村を追われたウサギたち。彼らは新天地を目指して苦難の旅を続ける。
新天地を目指すヘイズルとファイバーの兄弟が率いる群れには雄しかいなかった。人間に囚われていた雌たちを救い出そうとするがそれはかなわず、恐ろしい軍隊が支配する村で雌のウサギたちを解放しようとする。そこは強権的な将軍が支配する村。なんとか鳥と協力して難敵の将軍を打ち破り雌たちを解放する。
苦難を乗り越えた群れは安住の地に辿り着き、そこで子孫を増やし平和に暮らしている。群れを率いてきたヘイズルは家族や仲間たちと暮らしているとある日フリス神に呼びかけられる。もう彼らは大丈夫だ。私のもとに来なさい。彼は言われるがまま仲間のもとを去る。そしていまや神に仕えるために神の左の座についていることだろう。
旧約聖書のアブラハムの一族の物語をウサギに置き換えたかのような物語。
子供のころテレビで本作のスポットCMが流れていてずっと気になっていた作品。ついに映画鑑賞が叶った。
下書きのレビューが間違えて公開されてた。共感もらってしまったから放置するしかない。お恥ずかしい限り。
ある人生譚と変わらないある兎生譚。
感想
ウォーターシップダウン日本公開からもう45年にもなるのかと。
1980年の公開時に映画館で鑑賞したいと思いながら叶わないままであったが、今この時にふとした事で映画館で上映されると聞きつけ、映画館に向かう。
物語の主人公はもちろん野兎達。創造主である神フリスが兎神エル・アライラーに与えた恩寵が語られ、早く走ること。素早く動けること。を活かして自分達が今生きる世界から抜け出し新しい世界を目指して冒険の旅をしていく話で、この時点で既に古代ギリシャのオデュッセイアに匹敵するまでは無いにしてもこの兎社会の話に深い哲学性が秘められていると感じる。主人公ヘイズルと本能的予知能力のある弟ファイバーの兄弟、新しいカテゴリーでのリーダー格であるビグウィグの高い戦闘能力、ナットハンガー農場から牝兎を召喚する計画立案を行った頭脳明晰なブラックベリなど個性的な兎達が理想の天地であるウォーターシップ・ダウンを目指して躍動していく。
人間の開発と称する環境破壊により兎達の世界が破壊される描写もあり、兎が人間と同等の知能を有した場合の死生観、宗教観、生存環境の確保の問題、種の保存の問題、その世界での統治方法の在り方など単なる動物アニメではない高尚な次元の話が展開して厳しい現実的な問題を考えさせる物語でもあった。45年以上昔から語られている環境問題はもう待ったなし!行動の時が来ている。
年老いたヘイズルがある日、エル・アライラーとおもわれる光を見つけ「予の上士になるがよい!」と誘いを受けこの世を去り昇天する場面がしみじみと感動する。ある人生譚と変わらないある兎生譚を観た。と感心した。映像は水彩画の様な美しさで素晴らしく申し分はない。音楽:アート・ガーファンクルの主題歌もOSTもフルオケで素晴らしい◎
映画館について
今回観に行ったのはシアターイメージ・フォーラムであった。自主上映系を含めた形で世界の良質な作品を常設でかけているようで世界の映像文化を知る先端の場であると感じる。過去このような場所で覚えがあるのは岩波ホールであったが、今はこの映画館が同じ役割を果たしているのだと感じた。よく知り得ず普段から行き慣れていない映画館であったがこじんまりとして良かった。映画レビュー人生を始めたばかりの自分としては新鮮であった。
2024.12.3改編
⭐️4.5
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