劇場公開日 2002年12月28日

「バーンスタインとロビンスとワイズのミラクル・ミュージカル映画」ウエスト・サイド物語 Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0バーンスタインとロビンスとワイズのミラクル・ミュージカル映画

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館、TV地上波

音楽映画の広い範疇で大のお気に入りは、戦前のドイツオペレッタ映画の「会議は踊る」とイギリス映画「リトル・ダンサー」の舞台ミュージカルの映像化「ビリー・エリオット」と、そしてこのアメリカミュージカル映画の金字塔であるロバート・ワイズ監督作品の3本だ。レナード・バーンスタイン作曲のこのミュージカル音楽は、20世紀アメリカ音楽史に刻まれる名曲として不動の地位にある。バーンスタインは、作曲家兼指揮者として敬愛する音楽家のひとり。クラシック音楽に夢中だった20代に、幸運にも来日コンサートでマーラーの”1番”と”9番”の生演奏を聴くことが出来て、忘れられない想い出になっている。特にイスラエル・フィルとの”9”番の名演は、生涯最高の感動のコンサートになる。

そのバーンスタインの躍動感溢れる音楽が、ジェローム・ロビンスのコンテンポラリー・バレエの振り付けで視覚的に表現された、歌と踊りの迫力に圧倒される。実際のニューヨークの街を舞台に、それを縦横無尽に演出したワイズ監督の大胆さと正攻法のカメラワークも素晴らしい。ジョージ・チャキリスのダンスの切れ味とスマートさ、リタ・モレノのダンスと演技の巧さが、それ以上望めない程に完璧なもの。主演のナタリー・ウッドとリチャード・べーマーは、当時の若手スターからの配役だから物足り無さもないわけではないが、総合芸術の映画作品に必要な興行面の配慮として仕方ないことである。バーンスタインの音楽、ロビンスの振り付け、ワイズの演出に不足はなく、絶賛に値する。

Gustav
琥珀糖さんのコメント
2022年12月7日

はじめまして 琥珀糖です。
この度はフォローありがとうございます。
「ウエストサイド物語」に共感押していただきありがとうございます。
今、プロフィールを読ませて頂き大変な映画通の方と知り、
驚いております。
ベストに挙げられていた映画の半分もイエ3分の1もみていません。
古い映画も大好きです。
不束者ですがよろしくお願いいたします。

琥珀糖