ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェストのレビュー・感想・評価
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構図で魅せる映画術の見本!
昔むかし、鉄道敷設工事が始まったばかりの西部のある田舎町で、駅舎の建設工夫たちに明るく酒を振る舞う美しい未亡人がいた。
この未亡人には、こんな数奇な物語が隠されていたそうな…
公開から50年、レオーネ没後30年にして、2時間45分の完全版が劇場公開されたことは、嬉しい限りだ。
完全版がソフト化されたのはずいぶん前だが、劇場の大スクリーンで観られるとは思わなかった。
モニュメント・バレーの堂々たるロケーションは、やはり劇場でこそその圧倒的迫力を感じることができる。
短縮版で日本公開された「ウエスタン」は、当然リアルタイムではないが、学生の頃に名画座かオールナイトかなにかで観て、劇画も真っ青なあの大胆な構図に魅了された。
短縮版でも充分に大作の風格があった。
今回の上映でタイトルを原題のカタカナ表記に変更しているが、「ウエスタン」はよく考えられた粋な邦題だと思う。
アメリカ資本だから実現した壮大なアリゾナロケーションだと思うが、やはりハリウッド純正西部劇とは異なる毒気というか、一種異様な雰囲気があって堪らない。
セルジオ・レオーネの映画文法とエンニオ・モリコーネの音楽が、この独特の空気を作り上げている。
有名な、寂れた駅での銃撃戦に至るイントロのシークエンス。
何よりボロボロの駅舎のセットが極端で面白い。
撃ち合いが始まるまでが、無言で長い。
三人の悪党(かどうかの説明はないが、見るからに悪党)の油ぎった顔が超アップで映され、風になびくコートの芸術的な動き、木製のホームを踏む重い靴音とカラカラと風車が回る乾いた音が印象的。
これから起きる決闘を予感させて、惹き付ける。
そして、聴こえてくるハーモニカのメロディが、とてもチャールズ・ブロンソン演じる謎の男が吹いているようには聴こえない。
台詞のアフレコが口の動きと少しずれている。
このリアリティとは一線を画す演出が、不思議な印象をもたらす。
クラウディア・カルディナーレ(C.C.)演じるジルのテーマ曲は、本作のモリコーネの音楽の中で異質だ。
女声ハミングが重なる優雅なメロディは、その場面だけが別の映画かと思わせる程だ。
駅に降り立ったジルは、来ているはずの迎えがいないため、駅員に馬車がチャーターできる店の場所を訊ね、そこに向かう。
ここまでC.C.に台詞はない。
この駅舎の中のジルの様子を外から窓越しに撮り、画面奥の駅の外に歩いていくジルの後ろ姿を追うようにカメラが上へ昇っていくと、屋根を越えて町の様子が俯瞰で一望される見事なワンカット。
この素晴らしいカットにジルのテーマが乗る。
物語上はなんということもない場面だが、音楽と映像の効果で感動的ですらある。
レオーネは、既に西部劇の製作に終止符を打つつもりだったが、アメリカからの強いオファーに加えてヘンリー・フォンダの出演がOKとなったことで、もう一度チャレンジすることにしたらしい。
この頃既に、レオーネは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の構想を練り始めていたのだ。
レオーネが物語作りに協力を要請した二人の映画青年が、若き日のベルナルド・ベルトルッチとダリオ・アルジェントだったというのが、歴史の妙だ。
三人のコンセプトは「ヴィスコンティが西部劇を撮ったら…」だったというから、この発想も驚き。
レオーネの西部劇において女性はアクセサリーでしかなかったが、ベルトルッチの説得で女性にスポットを当てた物語が出来上がったという。
だが、画的には見事にC.C.をフィーチャーしているが、やはり女性の心理描写はあまり得意ではなかった様だ。
ハーモニカ(ブロンソン)、フランク(ヘンリー・フォンダ)、シャイアン(ジェイソン・ロバーズ)という三人のガンファイターの、美貌の未亡人を誰が守り抜けるかという競い合いに、それぞれの恨みと野望とプライドが絡み合った物語だ。
ブロンソンは、後に「レッド・サン」(1971年、テレンス・ヤング監督作品)でも三竦みの闘いで生き残り、好敵手を弔った。
とても良い映画
♪う〜ん、マンダム!✨
*この映画の一番の見せ所は、最初と最後の決闘シーン…でしょうね…
チャールズ・ブロンソン演じるガンマンが何か隠してるんですが、2時間半たっぷりと最後の最後まで、結構もったいぶらされます(笑)
*顔のアップが多用されていて、緊迫感があってなんかドキドキしました。
*ヘンリー・フォンダの役どころが今ひとつだと思いました…これなら、オープニングに出てきた悪役3人組の方が、よっぽど悪そうな顔してたし、カッコ良かった!(笑)
…なんでハエ喰わないッ!(笑)
*昔の映画のせいなのか、或いはマカロニ・ウェスタンだからなのか(笑)、演出がなんかちょこちょこ変だった…(笑)
それと、エンニオ・モリコーネの音楽はとても良かったんですが、場面に合ってた!?(笑)
なかなか貴重な映画体験でございました。
パンフももちろん買った!(笑)
『もはや開拓時代ではない』一大叙事詩
マカロニウエスタンは本当に恰好いい!
久しぶりにマカロニウエスタンを見に行きました。冒頭のけだるい暑い午後に、汽車から降り立つ主人公の決闘シ-ンから、もうハラハラドキドキでした。お色気担当のクラウディアも、メチャクチャに魅惑的で亭主を殺した男を誘惑するシ-ンが何とも色っぽい。そして、何と言っても悪役でありながら、実はお茶目でいい男のジェイソンが演じるシャイアンが実に恰好良い。いつもはニ枚目役のヘンリ-が、悪党を演じている意外性が面白かった。セルジオは無法の男のロマンを描かせると天下一品である。そして、お馴染みのエンリコの音楽が、大陸鉄道開拓時代の世界観を盛り上げる。街を造りあげる男のロマンは、ジルには理解できなかったようだが、ラストは女を残し去る主人公に、満足感を味わせる演出でした。
ハーモニカと共にどアップが目に焼きつきます
長かった
長いから寝る前に少しずつ見ていたら、流れや役がよく分からなくなってしまった。特にヘンリー・フォンダは髭があったりなかったりして同じ人だと分からなくて困った。ブロンソンに髭がないのも寂しかった。ブロンソンの兄の仇がフォンダだったようなのだが、年がともすればブロンソンの方が上に見えるので飲み込みずらかった。
鉄道敷設の場面はスケール感が素晴らしかった。古い蒸気機関車が実際に動いているのもよかった。
きちんと通して見れば印象は変わりそうなのだが、長くてしんどかった。
(追記)
リバイバル上映で映画館で見たのだけどやっぱり寝てしまった。たびたび奏でられるブロンソンのハーモニカが眠気を誘うのではないだろうか。ウトウトして話がよく分からないけど、ヘンリー・フォンダを暗殺しようとする場面は緊張感がすごい。シャイアンみたいなヒゲの人物が他にもいて見分けられない。また5年後くらいに見てみたい。
やけに間延びばかりする演出が退屈
総合:45点 ( ストーリー:50点|キャスト:60点|演出:40点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
何か起こりそうになる度に、そして何か起こる度に、やけに時間をかけて細かいところまで撮影をして音楽が流れて雰囲気を盛り上げる。人によってはこれが西部劇として格好いいのかもしれないが、私にはわざとらしさばかりが鼻についてしまった。何よりこの演出がとにかくやたらと尺ばかりをくって物語の進行がとても遅く、間延びばかりしていて退屈する。およそ2時間40分にも渡る作品だが、凝縮すれば1時間くらいは簡単に削れたのではないか。時間だけ無駄に長い大作で、これは大きな減点要因だった。
町の悪人と流れ者の対決という物語も平凡。そして有名俳優が演じる因縁のありそうな登場人物たちも、残虐な悪人と名前すらない謎の男というだけの表面的なことに終始し、その内面に迫る部分が薄くて魅力不足。
なんかすごいぞ、これは
チャールズ・ブロンソンのアップが夢に出る・・・。
まずはじめに。
ハーモニカの音色が耳から離れません(苦笑)
もう、こういう音が耳に残るだけですでにその映画は名作なわけです。
いわゆる、このウエスタンも名作・古典(?)に入るかと思いますが、現在のハイテンポな映画、シーンに併せて洪水のように流される音楽にどっぷり使った者には冗長に映るかもしれませんね。
僕もその一人に漏れてないような気がします、ハイ。
ロングショットの鉄道なんかは実に良い絵です。
馬が鉄道と走る様、駅にたどり着いた人々の中にインディアンをみつけると実にウエスタンを見ている気分に慣れます。
しかし、ハーモニカ(苦笑)
ラリホーのように眠気を誘う。
しかし、チャールズさんのおかげで目が醒めます。
ラストに向かってのストーリーテリングは良い流れですが、前述したように個人的には尺が冗長なので巨匠といえど星は2.5です。
ブロンソンのクローズアップ!!
ウエスタン!面白かったです。
なにしろ名優・名スタッフ揃い。最初の10分ですっかり引き込まれました。
ブロンソンのクローズアップ、昔ウエスタン好きの父と観たなと。内容忘れてたけどね。あのアップは忘れ難いです、CMで大人気でした。
大陸横断鉄道建設時代の物語、謎めいた男「ハーモニカ野郎」が汽車でやってきます。
別の便では美しいジルが駅に降り立ちます。
男達の物語であると同時に、愛する人と暮らすため都会を捨ててやってきたジルの物語でもあります。
3人の男達と彼女との関係が絶妙。勝気な彼女をウエスタンらしからぬ切なく美しい音楽が彩り、素敵でした。
ジェイソン・ロバーズが演じる山賊頭のシャイアン、味のあるキャラクターでした。彼の存在が作品を生き生きさせてました。
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