劇場公開日 2019年9月27日

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェストのレビュー・感想・評価

全54件中、41~54件目を表示

5.0構図で魅せる映画術の見本!

2019年9月30日
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鑑賞方法:映画館

昔むかし、鉄道敷設工事が始まったばかりの西部のある田舎町で、駅舎の建設工夫たちに明るく酒を振る舞う美しい未亡人がいた。
この未亡人には、こんな数奇な物語が隠されていたそうな…

公開から50年、レオーネ没後30年にして、2時間45分の完全版が劇場公開されたことは、嬉しい限りだ。
完全版がソフト化されたのはずいぶん前だが、劇場の大スクリーンで観られるとは思わなかった。
モニュメント・バレーの堂々たるロケーションは、やはり劇場でこそその圧倒的迫力を感じることができる。

短縮版で日本公開された「ウエスタン」は、当然リアルタイムではないが、学生の頃に名画座かオールナイトかなにかで観て、劇画も真っ青なあの大胆な構図に魅了された。
短縮版でも充分に大作の風格があった。
今回の上映でタイトルを原題のカタカナ表記に変更しているが、「ウエスタン」はよく考えられた粋な邦題だと思う。

アメリカ資本だから実現した壮大なアリゾナロケーションだと思うが、やはりハリウッド純正西部劇とは異なる毒気というか、一種異様な雰囲気があって堪らない。
セルジオ・レオーネの映画文法とエンニオ・モリコーネの音楽が、この独特の空気を作り上げている。

有名な、寂れた駅での銃撃戦に至るイントロのシークエンス。
何よりボロボロの駅舎のセットが極端で面白い。
撃ち合いが始まるまでが、無言で長い。
三人の悪党(かどうかの説明はないが、見るからに悪党)の油ぎった顔が超アップで映され、風になびくコートの芸術的な動き、木製のホームを踏む重い靴音とカラカラと風車が回る乾いた音が印象的。
これから起きる決闘を予感させて、惹き付ける。
そして、聴こえてくるハーモニカのメロディが、とてもチャールズ・ブロンソン演じる謎の男が吹いているようには聴こえない。
台詞のアフレコが口の動きと少しずれている。
このリアリティとは一線を画す演出が、不思議な印象をもたらす。

クラウディア・カルディナーレ(C.C.)演じるジルのテーマ曲は、本作のモリコーネの音楽の中で異質だ。
女声ハミングが重なる優雅なメロディは、その場面だけが別の映画かと思わせる程だ。
駅に降り立ったジルは、来ているはずの迎えがいないため、駅員に馬車がチャーターできる店の場所を訊ね、そこに向かう。
ここまでC.C.に台詞はない。
この駅舎の中のジルの様子を外から窓越しに撮り、画面奥の駅の外に歩いていくジルの後ろ姿を追うようにカメラが上へ昇っていくと、屋根を越えて町の様子が俯瞰で一望される見事なワンカット。
この素晴らしいカットにジルのテーマが乗る。
物語上はなんということもない場面だが、音楽と映像の効果で感動的ですらある。

レオーネは、既に西部劇の製作に終止符を打つつもりだったが、アメリカからの強いオファーに加えてヘンリー・フォンダの出演がOKとなったことで、もう一度チャレンジすることにしたらしい。
この頃既に、レオーネは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の構想を練り始めていたのだ。

レオーネが物語作りに協力を要請した二人の映画青年が、若き日のベルナルド・ベルトルッチとダリオ・アルジェントだったというのが、歴史の妙だ。
三人のコンセプトは「ヴィスコンティが西部劇を撮ったら…」だったというから、この発想も驚き。

レオーネの西部劇において女性はアクセサリーでしかなかったが、ベルトルッチの説得で女性にスポットを当てた物語が出来上がったという。
だが、画的には見事にC.C.をフィーチャーしているが、やはり女性の心理描写はあまり得意ではなかった様だ。

ハーモニカ(ブロンソン)、フランク(ヘンリー・フォンダ)、シャイアン(ジェイソン・ロバーズ)という三人のガンファイターの、美貌の未亡人を誰が守り抜けるかという競い合いに、それぞれの恨みと野望とプライドが絡み合った物語だ。
ブロンソンは、後に「レッド・サン」(1971年、テレンス・ヤング監督作品)でも三竦みの闘いで生き残り、好敵手を弔った。

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kazz

4.5タイトルなし

2019年9月29日
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鑑賞方法:映画館

髭無しブロンソン

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うんこたれぞう

4.0とても良い映画

2019年9月29日
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鑑賞方法:映画館
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stoneage

4.0『もはや開拓時代ではない』一大叙事詩

2019年9月29日
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セルジオ・レオーネの作家性が強いウェスタン文芸作品で、いつものマカロニウェスタンと違いガンファイトは少なめです。そうは言っても、悪党の肩越しに汽車が通り過ぎた後にガンマンが佇んでいる冒頭のシーンは、ゾクッときます。鉄道の開通により近代化が進み、腕一本でのし上がってきたガンマンたちが、時代の流れに乗れず滅びていく姿は哀愁感たっぷりで、エンニオ・モリコーネの音楽がさらに盛り上げます。映画は165分の長尺で、ストーリーの流れもゆっくりで冗長な所もあるけど、役者全員が魅力的で最後まで目が離せません。特にブロンソンの渋さにはシビれました。

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シネマディクト

4.5マカロニウエスタンは本当に恰好いい!

2019年9月28日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

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yoite

2.0ハーモニカと共にどアップが目に焼きつきます

2019年9月28日
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鑑賞方法:映画館

難しい

開始5分から眠気が...
そのせいもあってか内容が全然分からず
終盤やっと誰を核として見れば良かったのか分かってきた感じ

それまでも所々ウトウトが止まらず
私にはちょっと理解しずらい作品でした

ハーモニカや音楽もハマらず
拍子抜けにしか感じられなかった

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rin*

4.5幻の作品

2019年9月3日
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昭和52年ころリバイバル上映された時に見た記憶がある。夕陽のギャング達は宇都宮のメトロ座で見た。懐かしいというより奇跡のような再上映。絶対に見に行かなくては❗

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哲司

2.0過激さは全くない

2019年8月30日
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昔のアメリカを懐かしむ感じの静かな映画。これまでの作品のような手に汗握る過激なことは一切なし。アメリカ人は、これを見て昔を懐かしむのでしょうか?日本人の私には全く何も感じない。、一部ハリウッド映画への批判があったりしました。事実そうだなーと思いつつ、こんな映画より、トランプの発言の方がわかりやすく過激だなと感じます。なんだか、個人的にはつまらない映画でした。大物俳優2人使ってるから、それを売りにしているように感じ、どうせつまらないだろうなーとは予感はしていたが的中した。あとはみなさんの目で見て聞いて感じてください。DVDで充分

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価格助

5.0究極にカッコイイ

2017年3月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

アメリカの映画サイトimdbで高評価だったので鑑賞したが、期待を裏切らず、すばらしい作品だった。とにかくセルジオ・レオーネ監督のセンスが光り、沈黙、音にこだわっているのが見てわかる。ハーモニカの音色から登場する主人公はクールでヤバイ。ラストシーンの「いつか…」には心揺さぶられる。西部劇の傑作。

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ジンジャー・ベイカー

3.5長かった

2015年9月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

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吉泉知彦

2.5やけに間延びばかりする演出が退屈

2015年7月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

総合:45点 ( ストーリー:50点|キャスト:60点|演出:40点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )

 何か起こりそうになる度に、そして何か起こる度に、やけに時間をかけて細かいところまで撮影をして音楽が流れて雰囲気を盛り上げる。人によってはこれが西部劇として格好いいのかもしれないが、私にはわざとらしさばかりが鼻についてしまった。何よりこの演出がとにかくやたらと尺ばかりをくって物語の進行がとても遅く、間延びばかりしていて退屈する。およそ2時間40分にも渡る作品だが、凝縮すれば1時間くらいは簡単に削れたのではないか。時間だけ無駄に長い大作で、これは大きな減点要因だった。
 町の悪人と流れ者の対決という物語も平凡。そして有名俳優が演じる因縁のありそうな登場人物たちも、残虐な悪人と名前すらない謎の男というだけの表面的なことに終始し、その内面に迫る部分が薄くて魅力不足。

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Cape God

4.5なんかすごいぞ、これは

2014年4月12日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

興奮

なんだろう、なんか凄みを増してるよ、セルジオ・レオーネ。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』でも、訳も分からず映画を経験させられる凄みがあったけど、この作品にも、ただならぬ凄みがあるよ。
原題は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウェスト』。セルジオ・レオーネが愛した西部劇をもう一度。恥ずかしさをかなぐり捨てて、西部劇への愛を叫んでみた、そんな映画です。

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チャーリー

2.5チャールズ・ブロンソンのアップが夢に出る・・・。

2011年6月3日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

まずはじめに。
ハーモニカの音色が耳から離れません(苦笑)

もう、こういう音が耳に残るだけですでにその映画は名作なわけです。
いわゆる、このウエスタンも名作・古典(?)に入るかと思いますが、現在のハイテンポな映画、シーンに併せて洪水のように流される音楽にどっぷり使った者には冗長に映るかもしれませんね。
僕もその一人に漏れてないような気がします、ハイ。

ロングショットの鉄道なんかは実に良い絵です。

馬が鉄道と走る様、駅にたどり着いた人々の中にインディアンをみつけると実にウエスタンを見ている気分に慣れます。

しかし、ハーモニカ(苦笑)

ラリホーのように眠気を誘う。
しかし、チャールズさんのおかげで目が醒めます。

ラストに向かってのストーリーテリングは良い流れですが、前述したように個人的には尺が冗長なので巨匠といえど星は2.5です。

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マロピ

4.5ブロンソンのクローズアップ!!

2011年4月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

幸せ

ウエスタン!面白かったです。
なにしろ名優・名スタッフ揃い。最初の10分ですっかり引き込まれました。
ブロンソンのクローズアップ、昔ウエスタン好きの父と観たなと。内容忘れてたけどね。あのアップは忘れ難いです、CMで大人気でした。

大陸横断鉄道建設時代の物語、謎めいた男「ハーモニカ野郎」が汽車でやってきます。
別の便では美しいジルが駅に降り立ちます。

男達の物語であると同時に、愛する人と暮らすため都会を捨ててやってきたジルの物語でもあります。
3人の男達と彼女との関係が絶妙。勝気な彼女をウエスタンらしからぬ切なく美しい音楽が彩り、素敵でした。

ジェイソン・ロバーズが演じる山賊頭のシャイアン、味のあるキャラクターでした。彼の存在が作品を生き生きさせてました。

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グッドラック