劇場公開日 1987年12月5日

「体内探検」インナー・スペース かもしださんの映画レビュー(感想・評価)

3.5体内探検

2011年12月11日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館、DVD/BD、TV地上波、VOD

笑える

楽しい

配置転換を命じられた空軍パイロットのタックは研究施設で特殊潜行艇に乗り込んでミクロ化し、ウサギの体内に注入される実験の準備をしていた。
ところが、潜行艇のミクロ化直後に研究施設が産業スパイに襲撃されてしまう。
潜行艇の入った注射器を持った研究員は命からがら逃走するが追い詰められた末、スーパーの店員ジャックの尻に潜行艇を注入してしまう…

ミクロ化した潜行艇が人体の中に入り込むというシークエンスが物語の骨子としてあるが故に、よく「ミクロの決死圏」を引き合いに出して比べられてしまいますが、全くと言っていい程、別物です。

本作は、喜劇俳優マーティン・ショート演じる少し足りていない様にしか見えない可哀想な人物ジャックが、人体に別人格(正確には別の人間です😅)を投入され、
傍目から見て更に危ない人物に…
じゃなかった💦
薄弱な意思を打破して、変わり成長して行く物語となっているのです。

随所に「嫌味な人物」を散らすのは、ダンテお得意の手法。

一見、ジャックには優しそうに見えるスーパーの店長も、かかり付けの医者も、結局は自分の事しか考えていない。(カートゥーンで言うなれば、羊を騙す狼ですね)

頼れるのは身体の中にいるタックだけ。

ダンテのカートゥーン趣味が巧い具合に良い方へ働き、身体の中の相棒を際立たせておりました😅

殆ど声のみか、上半身しか映っていないにも拘らず、デニス・クエイドの存在感たるや、凄いものがあります😅

それだけでも一見の価値ありです🎵

また、ロブ・ボッティンによる顔面変形シーンも見応え十分‼
マーティン・ショートの顔芸と相まって、実に愉快で不思議なシーンになっておりました。

ご覧頂ければ、後々、ホラー映画で多様されるシェイク・ヘッド効果に多大なる影響を及ぼした事も理解して頂けると思います。

ワーナー発進のハリウッド大作なので、大味なのは否めませんが、肩の力を抜いて観ていられるという点においては申し分なしです⤴

かもしだ