劇場公開日 1993年12月18日

「【僕たちの世界】」イン・ザ・スープ ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【僕たちの世界】

2021年11月5日
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この作品は、エンディングも含めて、なんか切ない場面もちらほらあるけど、僕は、クスクスとか、フフフとか、笑いながら見てほしい気がする。

ジム・ジャームッシュが登場する辺りからは特に…。

タイトルの「In the soup」は、作品中でもちょっと触れられるが、混乱した様を表している。

なんか、僕たちの世界そのものだ。

皮肉っているわけでは決してない。

愛情たっぷりに受け入れているのだ。

この作品はインディーズの傑作とされていて、身構えて観る人もいると思うが、リラックスして楽しむ映画じゃないかと僕は思う。

宮沢りえさんが、前に、この作品が自身のベストムービーだと言っていたのを何かで読んだことがあって、自身を巡る狂想曲のような大騒ぎと、その後の潮が引くように人が離れていく状況を経験をしたからこそなのかなと考えたりしたことも思い出した。

リバイバル上映にあたり、このフィルムを提供した制作総指揮の鈴木隆一さんが、宮沢りえさんのことはコメントしていたし、オダギリジョーさんが、この作中のジョーから名前を取ったというエピソードも紹介していた。

この時代は、日本がこうしたインディーズ作品に資金も提供できていたのだ。

最近は、韓国映画の台頭で、国の資金がとか、ターゲットは外国でとか、あれこれ言われるようになったが、まあ、大作も悪くはないけど、こんなインディーズ作品に資金を出したり、作ったり出来るような国であって欲しい気がする。

新作でも、ロックウェル監督が、Q and A付きの上映のフィルムで、昨今の映画制作の困難さも話していた。

まあ、とにかく、この90分ほどの作品に込められた、人間のあれやこれやを悲哀も含めて、ちょっと笑いながら観てみて下さい。

ワンコ
talismanさんのコメント
2021年11月5日

笑いながら幸せ気分で見ました!

talisman