「人生に訪れる大切な瞬間」いまを生きる kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)
人生に訪れる大切な瞬間
教師と教え子 親と子 あるいは夫と妻。
人は誰でも、例え立場が違っていても、どこかで通じ合いたいと思っている。
自分の一面を受け容れてもらえれば、あとの大半が辛くても頑張れるものだと思う。そんな人との出会いや日々の積み重ねが、どんなにか心に生きる力を与えてくれるか計り知れない。
「カーペ・ディエム。今を生きろ」
初めての授業で、そう生徒達に囁いたキーティング先生が彼等の心の内にもたらした新しい風もまた、一人一人の心に自我を目覚めさせ、限りある命を躊躇することなく生きるという素晴らしさを問うものだった。
机の上に立つことは、生きる視点を変えること。一人一人の違う景色が目の前に開けた時の喜びを、彼等は知り得たからこそ、あの感動的なラストの展開が待っていたのだろうと思う。
一度受け容れた誰かの想いは受け容れた時点で自分の胸の内に収まり、決してなくなりはしない。
そんな魂を揺さぶられる瞬間を人は幾つになっても待ち望んでいるのかもしれない。
今を生きる とは決して若い人達だけのものでもないと思える。今作品を観終えて感動もひとしお、まだまだやりたい事の楽しみも、人との繋がりも、紆余曲折しながらも続けていく。たった一度の人生だから。
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