「ナンセンスは爆発だ。」アンダルシアの犬 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
ナンセンスは爆発だ。
ダリは昔(中学2年生)から好きな画家で、その理由は『アンダルシアの犬』の冒頭の場面だった。でも、目の手術の必要性が幼い頃からあって、怖くて見れなかった、老人になって昨年、白内障の手術をしたので、いよいよ、特望の鑑賞となった。
エロ、グロ、ナンセンス(?)かなぁ?
エロは女性とのカラミ。グロは目から水晶体が。そして、ナンセンスはビアノと引かれる狂気の牧師(神父の間違い!)。
まぁ、
分かった事は、くすぐられる様に、冒頭のシーンのみに気を取られてしまう。
それだけで、良かったと感じた。
最後の『春にて』は?まぁ、いいか?
餓の場面だけ、アメリカの『ホラー映画(?)羊たちの沈黙』かなぁ?と思った。
1929年にポル○まがいな表現は凄いと思うが。
フェルメールの『レースを編む女?』は見事にシュールな絵として、この映画にコラージュしてていると感じた。
わけ分からないけど、エロ、グロ、ナンセンスだ。ナンセンスは爆発だ。
翌年に大恐慌が起こり、狂乱のエロ、グロ、ナンセンスが終焉を迎え、シュールレアリスム等のアバンギャルド芸術を嫌うナチスが牙をむき出す。この映画はそれを予見しているように感じた。
共感ありがとうございます。
映画は他の芸術より歴史が浅くまだ100年一寸ですね。1910年頃、リッチョット・カニュードという人が映画を第7芸術と称して、作家や画家といった芸術家が参加した実験映画が盛んになったようです。日本では、川端康成の原作脚本、衣笠貞之助が監督した「狂った一頁」(1926年)が有名ですね。(個人的にはあまり感銘は受けませんでしたが)しかし、今日映画を純粋に芸術と捉える人はあまり居ませんし、科学技術の発達と共に娯楽産業の特徴を大きくしています。
それでも映画は、音楽に近いと思います。脚本があって絵を媒体にする意味では文学と絵画に通じますが、一番の特徴は時間の制限があることです。音楽のメロディが感情表現、リズムが演出タッチ、ハーモニーがドラマの厚みと劇的さに合致すると思います。
私は20代の頃映画から音楽に浮気してしまいました。チャップリンとフォードが映画の神様なら、私にとってモーツァルトとベートーヴェンが音楽の神様ですね。マーラーもブルックナーも大好き、ブラームス、シューマン、メンデルスゾーン、プロコフィエフも大好きですが、ひとりに絞れば、やっぱりモーツァルトです。18世紀の最高の天才と崇拝します。故に最高の芸術は音楽と思います。
コメントありがとうございました! そうですよね、考えてみるとこれって大恐慌前夜の「あだ花」みたいな映画なんですよね……。20年代とか、60年代とかって、今よりよほどぶっ飛んでるくらいの「前衛」が、美術でも映画でも音楽でも時代を切り裂いてて、結構後から知るとたまげます。