「映画史に残る傑作。」E.T. 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
映画史に残る傑作。
クリックして本文を読む
宇宙人が人間と同じ感情を持ち、好奇心に満ち溢れ、実際に接した子供たちに、友好的な態度に終始して描いた映画って、本作の大ヒット以前には、ゼロでは無かったかもしれないが、ほとんど無かったかもしれない。
この作品以前の映画の中の宇宙人は、どっちかというと、とても攻撃的で、地球に対する脅威となる存在で、人類を滅亡させるかもしれない、敵対的で恐怖の対象というイメージが主流だったと思う。
宇宙人に人間と同じ意味での「心」があり、しかも、互いに親近感を感じる存在として描いたことは、その後の映画における、SF映画の表現の広がりという意味で、多大な影響を与えたと思う。
異国の地である地球で迷子になり、ホームシックにかかった宇宙人という無国籍な存在が、人間の子どもたちにかくまわれ、やがて迎えがやってくるという物語は、そりゃあ国を超えて、世代を問わず、誰にでも楽しめる作品になるよなあと。
そこにスティーヴン・スピルバーグ監督は、無駄で余計な味付けをしていないことが、とても良かったのだと思う。誰でも童心に帰れるような、ストレートに感動できるSFアドベンチャーだし、映画史に残る傑作だ。
コメントする