「背後にある信頼関係が胸に沁みる。」イースター・パレード talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
背後にある信頼関係が胸に沁みる。
<映画のことば>
来年のイースターは、君が歩けば大騒ぎだ。
カメラマンが殺到する。
一年後、注目の的は、彼女ではなく君だ。
<映画のことば>
バラはしおれても、次のバラが咲く。
古い愛がしおれても、新しい愛の花が咲く。
詩の世界はそうでも、現実には二度目のチャンスはない。
「次の時」は、決して来ない。
二度目の幸運はないのよ、この私にはね。
だから、出直すことに決めたわ。
決めたのに、まだ心は揺れている。
ただ居酒屋で踊っていただけとはいえ、もともと踊ることには興味・関心があり、そして踊ることが好きだったのではないでしょうか。ハンナは。
酔った勢い…そして、長年連れ添ったパートナーに見捨てられた反動とはいえ、彼女の才能を見逃さなかったヒューズも、やはりずば抜けた才があり、超の字が付く一流のダンサーだったのだと思います。
最初は文字どおり「右も左も分からなかった」ハンナが実力を伸ばし始めたのは、ファニータという芸名を改めて(素性を隠さず、ドイツ系移民としての?)本名を名乗り始めてから。
その背後にあるのは、ハンナとヒューズとの信頼関係であることは、疑いようもないでしょう。その温かさも、胸に沁みます。
その題名となっているとおりに、要所要所で「イースターパレード」を基軸としながら、華やかな歌とダンスとに溢れ、その両方を存分に楽しむことができるというだけでなく…。
いわば「脇筋」として縦横に入り乱れる大人の恋の駆け引きも相俟って、最後まで楽しみながら観ることのできた一本でした。評論子には。