「追体験的感覚の息苦しい重苦しい観賞に…」アンネの日記(1959) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
追体験的感覚の息苦しい重苦しい観賞に…
「陽のあたる場所」「シェーン」「ジャイアンツ」のジョージ・スティーブンス監督の
代表的作品の1本だったが、
これまで観る機会は無かった。
狭い空間に4家族が息を潜めて
2年間も暮らしていたなんて想像を絶するが、
3時間近い上映時間は、あたかも
自分も同じ追体験を強いられたかのような
気にまでさせられる、
なんとも息苦しい重苦しい観賞になった。
中盤でのアンネの
「若い私達は大人と違ってこれからなの」
との台詞は、環境問題での
グレタ・トゥーベリさんらの活動を
思い出させられ、
大人と子供の将来への危機意識の違いは
昔も今も変わっていないのだろうかと
考えさせられる。
また、父の影響と小さな恋心等から
アンネの成長が徐々に描かれるが、
その成就が理不尽にも断ち切られる
彼女の運命を思うと心痛むばかりだった。
我々は彼女の運命を知っている上で
この作品を観賞している。
だからこそエンディングとしては、
父が強制収容所から生還してアンネの日記に
触れる後日談は冒頭だけで終え、
ペーターと共に希望を胸に抱いて
空を見上げるシーンで終わっていた方が、
より強く彼女の運命の余韻に浸れて
良かったのではないかと思うのは
私だけだろうか。
共感します。
もっとも、彼女の人生を利用して、密室の閉塞感を醸し出した商業主義的映画なのかもしれませんが、僕はその点を我慢して見ました。大変に残念な事だと言う気持が残れば良いのではと思います。
KENZO一級建築士事務所さん
分かりづらいコメントでしたね。スミマセン。。
余りにも昔に読んだので、アンネ・フランクの闊達で伸びやかな文章が強く印象に残っている程度で、隠れ家の記述については全く覚えていません。
今回検索( スマホは本当に便利ですよね。)により、細部まで可視化した隠れ家を目にし、彼らの置かれた状況をより深くイメージ出来ました。
アンネの描いた夢が惨たらしい戦争により打ち砕かれ、生き地獄のような生活を強いられ亡くなった多くの人々。そして今まさにウクライナで同じような蛮行が行われていますが、その苦しみ、悲しみはいつになったら終わるのでしょう。
KENZO一級建築士事務所さん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
ラストの描き方で作品がもたらす余韻も変わりそうですね。
作品を観終わった後、隠れ家の構造が気になり検索したのですが、以前( かなり前 )読んだ「 アンネの日記 」でイメージしていたものと違っていました。
皆さんが投稿されたレビューを読ませて頂いたり、映画に関する記事を読む事で、作品への理解がより深まり愉しませて頂いています。
KENZO一級建築士事務所さん
過酷な隠れ家での生活から、一層過酷な場所へと連行されるアンネ一家の悲しい事実を伝える意義は深いのではないでしょうか。遺す、という意味でも。
ウクライナの苦しみと恐怖を改めて感じました。