「日本が平和な国でつくづく良かった」アンダー・ファイア odeoonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
日本が平和な国でつくづく良かった
ラッセル・プライス(ニック・ノルティ)は戦場カメラマンなのだろうアフリカの内戦取材に続いて、米ソ代理戦争ともいわれたニカラグアの内戦も取材、ジャーナリストとしては、あくまでも中立なのだが、国益を私物化するソモサ家の独裁政権については国際社会の評価も良くなかったので容認しずらい面もある、反政府軍の依頼で政府軍に殺されたリーダー、ラファエルが生きているような写真撮影を頼まれる。ラファエルが死んだとなるとアメリカからの大量の軍資金が政府軍に渡され戦いに負ける恐れがあるかららしい。
葛藤の末プライスは同意、ラファエルは生きていることになる。
事実を取材に来た友人のジャーナリスト、アレックスは政府軍に殺されるがソモサ大統領はゲリラに殺されたと嘘の発表、その様をプライスが撮影していた写真が公表されアメリカは支援を中止、政府軍は敗れることに、喜ぶ民衆、The END。
このシーンは1979年6月20日、マナグアの路上で、白昼堂々国家警備隊により、米国ABCテレビのビル・スチュアート特派員が暴行され射殺されたまさにその瞬間が全世界にテレビ放映されたことにより、「親米国」ニカラグアの実態が暴露され、遂に米国の世論も反ソモサに傾いた事実に基づいており、本作製作のインスパイアになったらしい。
こうして一時は革命に成功したものの内戦は再度勃発、米ソの冷戦が終結し、ソ連からサンディニスタ民族解放戦線への支援も、アメリカからコントラへの支援も打ち切られ、サンディニスタ民族解放戦線の政権とコントラは1989年8月に戦闘を停止するまでニカラグアは地獄の日々が続きました。
職業とは言え戦場カメラマン、ジャーナリストのリスクは尋常ではないことが良く分かりました、日本が平和な国でつくづく良かった・・。
