アリス(1988)のレビュー・感想・評価
全16件を表示
ダウナー系ファンタジー
全体的な雰囲気がテレビの子ども向けの人形劇みたいで懐かしい気持ちになりました
大人になってから見ると不気味なんだけど、子どもは無心で眺めてるみたいな
部屋で紅茶のカップに石を投げ込んでいるということは最初の小川のシーンからすでにアリスの空想の中だったのかな?
大量の動物の骨や剥製から、父親は生物学者とか教授とかかなと想像しました
白ウサギがたびたび口にする
「遅刻してしまう」
「クビを切られる」
って仕事してるお父さんみたいだなと
ドアを強く叩かれると怯えるとか冷たくされたときの睨むような表情とか、アリスの心の闇を感じます
何度も白ウサギに「ねえ、待って!」と呼び掛けるのにひたすら無視されるのが印象的でかわいそうでした
両親とも厳しくて冷たいから寂しいのかな…
ラストが難しかったです…
誰に向けての台詞?
お父さん?ハサミでは難しくない?
もっと子どもとの時間を作りましょうということかな
休みの前の日の夜中にぼんやり見たい映画です
地下の世界と夢、時間が狂った世界
地下に降りていくことは、無意識の世界に行くことの表象であるし、アリスの行った世界では、時計がぜんぶ壊れていて、まさに夢の世界そのものだなと思ったり、
ティパーティーは同じことを何度も反復し続けるし、時計にバターを塗って時計をなおそうとする、
意味をなさない言葉、意味をもたない行為、現実ではありえない現象、
夢はどうして、そのようなものばかり現出させるのだろう、どうして合理的なはずの人間の身体において、一見そこにはあてはまらなそうな、ふしぎな夢を見る必要があるんだろう、
メモ
・登場人物の言葉はすべてアリスが喋っているから、アリスという主体が創造して作り出した物語だ、とも解釈できそう、もしくは主体がアリスである夢、
・アリスが追いかけるのはあくまでも遅刻しちゃうっていつも言っている兎、ほかの登場人物にはそこまで興味を持っているわけではなさそう
クセになる面白さ!
必見の一作
アリスのイメージ
"意味"を求めてはいけません。
列記としたシュールレアリズムとしての作品。
恐怖より、手作り感ある温かさを感じました。
アリスの語りだけで進んでいく物語は、まるで紙芝居のようです。
常に薄暗く、人形映画独特の動きの不自然さ。
缶詰の中に虫がいたりインクを飲んだり藁を食べたりと
生理的な角度からの気持ち悪さがあります。
特に食についてのものが多かったように思います。
そういう様々な奇がこの映画の特徴で、
"意味"を求めてはいけません。
2010/6/14@メディラボ
チェコ映画
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
主演:クリスティーナ・コホウトヴァー
公開日:1988年8月3日(米)
不気味な悪夢
暗くて不気味なストップモーションアニメと実写の合成
2015/08/22、DVDで鑑賞。
もういい大人ですけど童話は割と好きで(子供の頃は童話嫌いだったのにね)、こんどシネマ ジャック&ベティでヤン・シュヴァンクマイエル特集やるのを見て、この監督の作品に興味を惹かれて、まずDVDで観て気に入ったらジャック&ベティで観ようと思って借りてきました。不思議の国のアリスも話は知ってるし、一番とっつきやすいかなと思ったのですが、少々自分には厳しかったか。
まず、出てくる人形がみんな不気味で薄汚くて怖い。部屋や小道具もみんなそう。ストーリーのテンポも悪くて眠くなってしまう。薄暗いのも不気味なのも全然嫌いじゃないが、多分合わなかったのはストーリーのテンポと台詞が少なく、BGMも排して効果音だけで進んでいくような作りのせいだと思う。言い方変えれば芸術性が高いのかもしれませんが、今の自分には合わなかった。
アリスがインクやクッキーを食べて大きくなったり小さくなったりするんだけど、大きくなった時は子役の子のままなのに、小さくなるとフランス人形になっちゃうんだよね。それがまた可愛くないw子役の子はすごく可愛いのに。なんで?w
凝ってる
アニメーションがすごく凝っていました。
それだけでもこれを見る価値はあると思う!
内容は、よくわからなかった(まず原作をあまりしらない)
丸尾末広やアングラな漫画の短編にありそうな夢オチ...でした。
それにしても、アリスが可愛くて綺麗で素敵でした!
不気味の国のアリス
実写にアート・アニメを融合し、星の数の映画監督の中でも特に独特の作風で知られるチェコの鬼才、ヤン・シュヴァンクマイエルの1988年の作品。
題材はルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」。
ウサギを追って不思議な国に迷い込むのは同じだが、それ以外は新解釈と言うか独自解釈。
ディズニーのアニメ版ともティム・バートンの実写版とも違う、文字通りの異色ファンタジー。
アリス以外、キャラもセットもほとんど人形アニメ。アリス役の女の子も人形になったりする。
その緻密な表現だけでも一見の価値はある。
作風は極めてシュール。グロテスクでもある。
間違っても子供に見せられる作品じゃない。
しかし、この異色の作風が、妙に「不思議の国のアリス」という作品に合っているような気がする。
音楽は流れず、台詞も極力カット。
本当に、見る者も不思議の国に迷い込んだ錯覚を感じさせてくれる。
好き嫌いはハッキリ分かれる。
と言うより、シュヴァンクマイエルの作品自体がそう。
でも本作は、題材のお陰か、シュヴァンクマイエルの作品の中でも初めてまともに見れた。
全16件を表示