「計算された演出」荒武者キートン neonrgさんの映画レビュー(感想・評価)
計算された演出
『荒武者キートン』は、南北戦争を背景にしたアクション・コメディで、バスター・キートンによる無声映画の代表作です。主人公が機関車とともに繰り広げる追跡劇が、全編を通じて非常にテンポよく展開されます。
物語はシンプルですが、その中に驚異的な身体能力と精緻に計算された演出が詰め込まれており、特に列車を使ったアクションシーンは現在の視点でも圧巻です。キートンの表情を抑えた演技が、逆に滑稽さと哀愁を同時に伝えてきます。
また、鉄道、ロープ、銃などのモチーフが、自由・しがらみ・暴力性といった抽象的な概念の象徴としても機能しており、ミザンセンの視点から見ても非常に洗練されています。
技法を読み解く勉強のために鑑賞しました。無声映画でありながら、現代のアクションやコメディに多大な影響を与えた傑作だと感じました。
鑑賞方法: HDリマスター (Youtube)
評価: 88点
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