「自伝らしいので、ナルシストなスパイの話と判断する」アラビアのロレンス マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
自伝らしいので、ナルシストなスパイの話と判断する
初めて見たのは、小学校五年生くらいの課外授業での上映会だった。近眼乱視が始まった頃で、メガネを忘れて、字幕が読めなかった事を思い出した。しかし、全く問題なく理解出来た。
イングランドの『二枚舌外交』と言う事は、亡き親父や教師からも聞いていたので、この映画を見る前から、ロレンス大佐に対して偏見があった。
さて、トルコ共和国は今年が建国100年だったはずである。去年がエジプト共和国建国100年で。日本の様な脱亜入欧の国なら大騒ぎなんだが、何故騒がないか?それが世界的なナショナリズムであり、古い歴史がある地域と言うことなのだと思う。まさにこの映画のテーマ!
さて、シオニズムをこの映画では直接触れていないが、その前段になる話で、あり得ない戦争活劇として、歴史的な外観だけを理解するだけで良いと思う。まぁ、フィクションとして楽しめば良いと思う。
さてさて、イングランドはアラブに武器を提供しまくる。ある意味立場上それで自然なのだが、この映画では、その事が影響して、後の『イスラエル建国に水をさす』といった表現の様な気がする。つまり、現代に置き換えると、アルカイーダへ武器を供与したアメリカみたいなもの。それは共感する。ウクライナもそうならなければ良いが。
オマー・シャリフはエジプト系だが、レバノン人。つまり、カソリックてあり、スティーブ・ジョブズと同じ。(訂正です。彼は仏教徒でレバノンの大学に関係していただけでした。申し訳ありませんでした)それはあとから知る事になるが。
さて、最初の場面を見て、僕個人は『サンタナ』の『キャラバンサライ』を連想したが、初リリースが1973年との事。高校2年生位に友人とドデカい画面で見ているようだ。テアトル東京だったかなぁ。オマー・シャリフ特集で二本立てだったかもしれない。
さて、あと一時間で、この映画の何回目かの鑑賞も終了するが、一つだけ気づいた事がある。神の事を『アラー』とは言っていない。『ゴッド』と言っているのだ。
さてさて、トルコ兵に拷問を受ける場面があるが、ロレンスはその後態度を大きく変える。大変に重要や場面だが、トルコ軍の隊長の行動が差し替えられている様に感じる。確か隊長はロレンスに対してもっとひどい仕打ちをしたと記憶するが。忖度があるのか?
いずれにしても、アラブ、エジプト、トルコに対してのヨーロッパ人の差別でしかない。ましてや、アラブと言っても、ここで活躍するアラブと、現在のサウジアラビアは違う。また、オスマントルコは600年以上続いた国家で、1922年に滅亡したが、その後、共和国として、民主化をいち早く取り入れた国家だ。
ロレンスは英雄でもなんでもない。007の国。つまり、日本で言えば、満州国の甘粕見たいな存在だ。密偵って事だろう。勿論、アラブ人にとっては、救世主でも英雄でもない。
『アラー』の名称を不自然なまで出さないで、『モーゼ』や『魔女』の類をストーリーにはさむ。もはやキリスト教側から見た茶番劇でしかない。挙げ句の果に、殺戮の現場にアメリカンの記者が『ジーザス』と嘆く、日本語訳は『ひどい』になっていた。
最後に『アラーに感謝しろ』って言っている様だが『アラビアに感謝しろ』と聞こえるが。
言うまでもなく、純粋なアラブ人、エジプト人、トルコ人は主なキャストとしては一人も起用されていない。つまり、イギリス人よるイギリスの言い訳映画と言う事になる。アメリカのベトナム戦争映画と同じだ。
王子はファイサル?現在のヨルダン国王のアブドゥーラ2世ってムハンマド直系のフセイン家で、サウジアラビアとは仲が悪いと思ったが。ファイサルもダマスカスへ入城しているんだ。勉強になったが、本当か?
追記
アラブの襲撃が、まるでネイティブアメリカン(アメリカンインド人)の襲撃の様に見えて、へそが茶を沸かす。