ア・フュー・グッドメンのレビュー・感想・評価
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法の精神と、軍の規律
トムクルーズと、ジャックニコルソンの演技の上手さが、第一印象。
国防に命をかけ、それ以外のことは些事と考える、前線基地司令官のジェセップ大佐、
エリートだが、司法取引で楽に結審すればいいと考える、主人公キャフィー海軍弁護士。
最初に二人が基地で会うシーンは特に良かった。キャフィー中尉に、丁寧な物言いを
遠回しに求めるジャックニコルソン演じるジェセップ大佐の不気味さ。
観る人に、国防とは、軍とは、法とは、考えさせる名画です。
ジャック・ニコルソン
主人公(トム・クルーズ)は若手の海軍での弁護士、そこへ事務官(デミ・ムーア)が米軍基地グアンタモで起きた殺人事件を持ち込む。
主人公は何事も簡単に済ませるタイプ、事務官はこの事件には裏がありそうと主人公をけしかける。
基地へ行ってみると怖い指揮官(ジャック・ニコルソン)が待ち受けていた。
ジャック・ニコルソンの登場シーンは少ないが、みんな持っていってしまった。
軍隊のイジメ≠規律維持(懲戒)
キューバのグアンタナモ基地(最前線基地)内での、軍隊内の暴行致死を裁く法廷
単なる過失暴行致死として処分して、穏便に収めたい上層部の配慮で、有名な法律家の息子であるトム・クルーズ演じるキャフイ中尉が弁護人に任じられる。絵に描いたようなボンボンで、時間は守らない、まともに筆記用具も持ち合わせないような若造である
その任に是非とも就きたかったのが、デミ・ムーア演じるギャロウェイ少佐
彼らがグアンタナモ基地で対面する司令官がジャック・ニコルソン演じるジェセップ大佐、これがゴリゴリのパワハラ野郎で、ひと睨みで彼らは退散する…
コードRがそこに有ったのか、無かったのか、法廷で白熱した弁論が飛び交わされる
ニコルソンの部下パワハラの権化中尉にキーファー・サザーランド、その部下にノア・ワイリー(「ER」のカーター先生)、軍事法廷の検事にケビン・ベーコンと、配役が今も活躍している方が多い
見応えはあったが、後半法廷劇が長くて、ちょっと眠かった。また冒頭で殺害されるサンティアゴ一等兵の身内の描写は一切無いのが、ちょっと物足りない。軍隊内の規律がテーマだから、愁嘆場は不要ということなんだろうけど…
美しいデミ・ムーアが出演していても、恋愛要素が全く無い点も潔くてよい
それぞれの矜持。それぞれの誇り。その行方。
冒頭。はっきりとは見せぬ襲撃。
そこからの、
一糸乱れぬ、海兵隊員のデモンストレーション。見事。
デモンストレーションの美しさを印象付ける。
登場人物それぞれの誇りをかけた生き様が交錯する。
名セリフとして名高い「お前に真実は判らん!」。
この事件の”事実”は明白。証明が難しいだけで。
だが、”事実”≠”真実”。
キャフィーの知りたがる”真実”と、ジェセップの生き様をかけた”真実”とは次元が違う。
そして、ジェセップは己が信じる”真実”は、世の中・治安維持・国家防衛の点で、それこそが”真実”と思い込んでいた。
という社会的には何が”正義”かと問う問題作であると同時に、
チャラ男・キャフィー中尉の成長譚。
この時期、チャラ男から一本筋の通った男になるという、こういう役が多かったトム様。でも、微妙に一人一人違う演じ方。すごい。
超有名な人権法律家の父を持ち、それとの確執?も微妙ににじませる。どこに行ってもついてくる父の名声。キャフィー自身もハーバード・ロースクール出身で、目端の利く頭の回転の切れの良いエリートなのだが、父に比べれば…。父に憧れつつも、父に及ばない自身への失望もチラ見せしつつ、AD/HDかというような粗忽さもあり、頭の回転と口のうまさを最大限に発揮して、小手先の方法で業績を上げる。野球>仕事への熱意(父に対する自己卑下による逃避?)。それが…。自分が海兵隊から、ある目的をもって利用されていると気が付いてから…。さあ、どうでるか。長いものに巻かれろでもいいはずなのに。それが処世術にたけたエリートの対応のはずなのに。
びびりながらも、自身の軍事法廷・懲戒免職をかけた賭けに出て、ジェセップ大佐に食いついていくキャフィー中尉。ジェセップ大佐の自負心(虚栄心とは表現したくないジェセップ大佐の生き様をニコルソン氏が演じる)を煽りながら。裁判官・検事・陪審員はすべて将校。社会通念・正義よりも、軍の通念・正義が通る軍事法廷。圧倒的に不利な状況の中での、その果て…。圧巻!
何が、キャフィー中尉をそうさせたのか。単なる正義感とは思いたくない。ドーソン兵長の生き方に感化されたように思う。それでも、「命令されたから」で命を失った兵士の理不尽さにも怒りを覚えて。高潔な、人を思いやることのできる兵士が犯す罪。なんともやるせない。だからこそ、ラストのやりとりに繋がるのだと。
ギャロウェイ少佐。
己の信念・正義感に基づき、突き進む。キャフィーのお尻を叩く役。わがまま~。同僚に居たらやりにくそう。これだけお尻を叩きまくって、いざとなると…。キャフィーを心配しているとも見えるが、なら最初からお尻叩くな!彼女がいないと話が進まないが。
ムーアさんの映画はまだあまり見ていないが、この信念の女性具合が、鼻につきそうな一歩手前で、美貌と合わせて、くらっと来てしまう。初デートでカニ料理のチョイスも少佐らしい(笑)。
ウェインバーク大尉。
風船のようにつかみどころのないキャフィーのお目付け役。お目付け役なのだから、海兵隊上部の意図から外れていくキャフィーを引き戻してもよさそうなのに、同じ方向で協力。自身の出世には影響しないのか?裁判自体への貢献は、この映画の中ではあまり描かれておらず、いなくてもと思ってしまう。だが、キャフィーとギャロウェイだけだと迷走しそうな中、ウェインバークがいるだけで、チームとして地に足がついている雰囲気が出てくる。「弱いものいじめは嫌いだ」から被告のことを嫌っているのに、それはそれ、職務は職務と言うところが、プロとして矜持。知的だなあ。
ポラック氏の映画もこれ以外ほぼ見ていないが、この存在感に唸ってしまう。親馬鹿ぶりも和む。
検事・ロス大尉。
演じるのはベーコン氏。最近の癖のある役から、物語の進行に、何かやらかしてくれるのではないかと勝手にドキドキ。でも、キャフィーとの関係性に安定感を醸し出しつつも、検事と弁護士という立場の違いからくる攻防にハラハラしと、物語に華を添える。ウェインバークとはまた違った安定感。それでいて、キャフィー同様の頭の回転のキレ、冷静さ。この映画の中では、チャラ男キャフィーよりもスマートなエリートで格好良い男。好演。ジェセップの衝撃的な証言の後の目の泳ぎ方も見もの。
ダウニー一等兵。
自分で考えることを放棄してしまった兵士。たまたま心酔できるドーソン兵長に出会ったから、そうなったのか?命令に従っていること。それが彼の矜持と言うのが悲しい。
そんな小物感と、小物なりのプライドを、しっかりマーシャル氏が演じている。
マーキンソン中佐。
ジェセップ大佐と己の矜持との板挟み。その結果…。
温かみと、元諜報員の不気味さ。指揮命令系統を重んじる軍人としての矜持と、人としての矜持のせめぎあいの中…。中間管理職の悲哀。ウォルシュ氏好演。
上司を告発するなんて軍人としてはあり得ない。けれど、人として暴挙を止められなかったことに対しての自責。裁判がキャフィーたちに有利に進むかと見えての、この顛末。その後のキャフィーの行動が、どんなに無謀なことなのかを印象付ける。
ケンドリック中尉。
演じるのはサザーランド氏。拝見するのは『スタンドバイミー』と今作くらい。激情型のお兄ちゃんが、今作では、ねちっこい蛇のような役で、敵役を一気に引き受ける。好演。
と、出演されているすべての方を称えたいが、やはり一番の怪演はジェセップ大佐を演じるニコルソン氏に尽きる。
パワハラの権化。権力に取りつかれた男ともいえるが、単なる権力亡者ではない。
紛争がいつ起こっても不思議ではない国境の警備。その緊迫感がヒリヒリと伝わってくる。その一線を死守する覚悟。それゆえの感覚の麻痺。善と悪の混乱。指揮系統の乱れ→国の安全の崩壊・部下の全滅くらいに、その責任を得負っていたのであろう。
ぬくぬくと安全圏にいて、美味しいところを引っさらっていくエリート(キャフィー父子が代表)への反発。国を動かしている意識の高い系のエリートに対して、命を張って国を守っているのは自分たちだというゆるぎない自負。裁判長やロス大尉の助け舟さえ、自身の仕事に対するけなしとしてしまうほどの強靭なる信念。単なる悪役ではない。
法廷での証言の後、周りの反応が変わったことへの戸惑いのシーンが秀逸。職務を遂行したと称賛され、皆首を垂れるのが当然と思っていたことからの混乱。この方にしか表現できないのではないかと思ってしまう。
トム様演じる不退転のキャフィーの口八丁。でも、それ以前の軽口に比べ、ジェセップ大佐の威厳にビビりながらも決して逃げない演技がニコルソン氏の演技を引き立てる。
裁判長。
公平を努めるのにも関わらず、ジェセップ大佐の証言後の、「言わせてしまった」感からの、司法として適切な対処への切り替え。
そんな映画史に残るやり取りのあと、すべてをさらうのがドーソン兵長。
最初のふてぶてしさ。そこから見えてくる彼なりの矜持。ジェセップ大佐の証言後の慌てよう。その上で、映画ラストの言葉が生きてくる。ボディソン氏好演。
脚本も見事。
ドーソン兵長が自身のミスを隠蔽しようとする悪の化身のような始まりから、法廷で少しずつ見えてくる人柄。そして、将校から見たら使い捨てのコマであるドーソン自身のために、将校であるキャフィー自身の懲戒免職をかけて、勝ち目のない勝負に出るキャフィーを見てからのラストの言動。
キャフィーの野球好きも、後半の論戦のきっかけをつくる。上手い。
事実確認のちょっといらつく答弁からの、一気に畳み込む、圧巻の論戦。緩急に見事さ。
ハラハラする要素も入れつつ、直球に気持ちの良いラストに向かう。
元々舞台劇の映画化とのこと。
さもあらん。
それぞれの男たちの矜持のぶつかり合い。
大切なものは何か、それを守るために何をすべきか。考えさせられる。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
映画は気持ちよい感動で終わるが、日常に置き換えると、話はとてつもなく思い。
命令に逆らったら…。
それこそ、逆らった本人たちの命が危ない。
命ほどの危機はなくとも、その世界での命を絶たれることは必須。
組織内のパワハラ。元受けと下請け。逃げた先に、他の人生を見つけられるか…。視野狭窄に陥ってしまいそうになる。
だからこそ、一人一人が意識しないといけないのだが。
せめて、映画で気持ちよく終わることが嬉しい。
(台詞は思い出し引用)
(2024.11.28追記)
痛快!逆転裁判!
軍事法廷では有り得ないような色男と色女のコンビが、まさかの大逆転シュートを決める法廷もの。
今どきのこねくり回し尽くすようなものではなく、展開は至って素直だし、権力老害に対する分かりやすすぎる勧善懲悪で感情移入も易く、気分も乗りやすい。勇み足を踏んだり、絶体絶命の展開も度が過ぎずに、心地よくイライラハラハラさせてくれる。
とは言えオチも完全なハッピーエンドとはならず、罪のバランスもちょうど良い。
これぞ、映画!エンターテインメントだと言える。
暴力的制裁コードR
尋問のシーンが最高
公開当初、高校生くらいだったから、観てトムクルーズかっこいい〜って思ったことくらいしか記憶に無く。再視聴。
キャフィとジェセップの対決シーンは見もの。
軍の法廷という特殊な舞台でのやり取りが面白い。
迫真の演技で巻き戻して何度か観てしまった。
キャフィが最後の尋問前に水を飲んで手が震えている所からの、ジェセップに犯行を自白させるまでがすごい。キャフィの絶対に成功させるという気迫と緊張感の中、上手く相手を逆上させて自白させる流れにはちょっと鳥肌モノだった。
2人の演技が最高。
最後の、ドーソンの「我々は弱い者ののために戦わねばならない。彼のために戦うべきだった。」というシーンで終わる点もとても良かった。
序盤のキャフィと、最後に敬礼した時のキャフィでは顔つきが全然別人のように見えるのにもグッと来た。トムクルーズが演じる成長物語けっこう好き。
つか、初めての法廷でこの出来って天才としか思えない。
変に恋愛要素も無くて良かった。
駆け引きがいい
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何らかの秘密を握った下級軍人が大尉たちに殺される。
これにより裁判が行われることになり、弁護士トム・クルーズが登場。
大尉達は大佐の命令を忠実に実行したのだと証言する。
偽って罪を認めれば半年くらいの刑で済む公算が高かったが、
一本気な彼らはそれに応じない。あくまで命令を実行しただけと言う。
以後は法廷でのシーンが多くなる。
トムの涼やかな弁論と天才的な駆け引きによって、
証人喚問された大佐自らの口から、それが命令であったとの証言を引き出す。
大尉たちは無罪。しかし軍はクビになった。
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駆け引きがおもしろい。デミ・ムーアは別にいらない気もするけど。
大佐は自分が指示したことを認めた際に逆上して言う。
「誰のおかげでお前らはゆっくり寝られるんだ、我々ではないか」
人道的には間違いでも、組織を守るには必要な命令ではある。
日本の官僚や政治家みたいな私利私欲・保身のための命令ではない。
軍全体を守るべき上層部にとっての正義と、一般人の正義とでは異なる。
大佐は彼なりの正義を全うしている。これを一言で悪と言うことはできない。
命令したことを認めなかったのも、自分が抜ければ軍にとって痛手だからである。
一方、大尉の方は正義を行いたいと思って軍に入っており、
常に忠実に命令に従い、今回のことでも嘘をつくことを拒んだ。
それが原因となり、軍をクビになる。正義などあったものではない。
しかし彼は言う、「(被害者)を助けることが正義だったんだ」
去り行く彼にトムが声をかける、「正義を行うのに軍服はいらないさ」
なかなかにシビれるやり取りである。
若手弁護士キャフィーに天晴
冒頭から二人の被告人を弁護するべく奮闘していく中で、最大の証人であるキーマンの自殺など暗礁に乗り上げる場面もあったが、物語の佳境でジャック・ニコルソンから、コードRの命令元が自分であったと言わせたトム・クルーズの法定での攻めが観ていてスゴく気持ちが良かった。
何回見ても面白い
You can't handle the truth‼️
トム・クルーズvsジャック・ニコルソン‼️軍隊という組織が舞台、軍隊内での落ちこぼれに対する規律や制裁(コードR)がテーマ、そして法廷劇‼️「ソーシャル・ネットワーク」や「スティーブ・ジョブズ」の脚本家であるアーロン・ソーキンが、軍隊組織に潜む闇、命令の当事者である軍隊上層部、犠牲となる兵隊、軍隊のために命令を実行するのが当然と信じる実行者の兵隊、そして容疑者とはいえ上官たちに挑まねばならない主人公の弁護士たちの奮闘を無駄なくまとめ上げ、ロブ・ライナー監督が凄まじい緊張感の中に描き出した法廷映画の超傑作ですね‼️上官の命令でコードRを実行し、無罪とはなったものの除隊させられてしまう兵隊たち‼️「命令でやったんだけれども、それは正義ではなかった」と涙ながらに自戒する兵隊たちの姿にこの作品の真のテーマがあって、深く考えさせられます‼️トム・クルーズが上官の不正を暴く、血気盛んな軍隊所属の弁護士を演じていて、当時20代後半の彼にとってまさに適役ともいえる好演‼️相棒に扮するデミ・ムーアも、映画で描かれた女性の軍隊服姿のナンバーワンですね‼️あまりにも美しい‼️私にとっては「ゴースト ニューヨークの幻」の彼女よりもはるかに魅力的だと思います‼️ただやはり短い出演シーンの中で、場をかっさらうのはジャック・ニコルソンですね‼️トム・クルーズに人にものを頼むときの講義をしたり、デミ・ムーアへの台詞 "男にとって一番嬉しいのは女上司に◯◯◯してもらうことだ"、そしてクライマックスの法廷での台詞 "お前に真実はわからん" ‼️その迫力の演技というか顔芸‼️子供に見せたら泣き出しますよ、絶対‼️「シャイニング」の顔芸も凄かったのですが、この人の存在感が映画の格を一つも二つも上げていると思います‼️
アメリカ海軍基地内での殺人事件。 軍法裁判で陪審員が全員士官という...
トム・クルーズ:鈴置洋孝
トム・クルーズは遊び人風エリートがよく似合う。見せ場はクライマックスのジャック・ニコルソンとの対決シーン。法廷ドラマのベスト10に入る面白さ。
上官命令に従ったのに軍法会議では敗訴して除隊。単純に考えると凄く理不尽。だからこそトム・クルーズの最後の台詞「制服だけが名誉じゃない。」が生きてくる。米軍では何が正義なのか・・・。ジャック・ニコルソンが逮捕されたのが唯一の救いか。
海外ドラマ24を見たあとなら分かるが海兵隊の誇りは忠誠心。忠誠を誓うは上官殿ではなくアメリカ合衆国大統領。上官殿はあくまでも直属の上司にすぎない。間違っていれば審判を下すのはアメリカ合衆国大統領(厳密には軍法会議)。現場の間違った忠誠心は大日本帝国陸海軍を参考にしたのかな。
面白かったかどうかというと面白かったんだけど、若干雰囲気に流されて...
巨大権力に立ち向かうトム・クルーズとデミ・ムーア
「You have to ask me nicely」
ものすごい迫力でしたね~、ジャック・ニコルソン怖かった(笑) 「もっと丁寧に頼め!」や「我々が守ってやってるんだ、それが気に入らなきゃお前らが最前線に立て!」って感じのことを言うシーンすごかった! ジェセップ大佐・・・ジャック・ニコルソンのおかげで数々の映画の登場人物の中でかなり好きなキャラクターです(笑)
コードレッド(暴力的制裁)
必要悪を裁く・・
映画の基になった事件はグアンタナモ湾の米国海軍基地で1986年に起こった事件で海兵隊員のウィリーは10人の仲間たちから拘束、暴行され丸刈りにされました、肺からの出血で重症となりましたが命は助かったそうです、指揮官のアダム大佐はノースカロライナ州の軍法会議で起訴されましたが有罪にはなっていません。指揮権の濫用を重く見た海軍上層部は大将3名を基地に派遣し隊員たちに粛清を訓示したようです。原作・脚本のアーロン・ソーキンは海軍の裁判官擁護軍団に勤務していた姉のデボラから事件の話を聴いて触発され創作しました。
国防総省は撮影協力を拒んでいます、触れられたくない事案だったのでしょう。
そもそも軍事行為は有事と平時では真逆なダブルスタンダードです。殺すのは行き過ぎですが焼きを入れる程度の上官の暴行は必要悪とされ、古今東西、軍隊では日常茶飯事だったでしょう。
だからこそ、映画にまでして問題提起した製作陣こそ少数派、まさにFew Good Men。
メッセージ性を別にすれば法廷ものとしては凡庸です、見どころはハーバード・ロースクール出の青二才(トム・クルーズ)やパワハラの権化(ジャック・ニコルソン)を適役が見事に演じていることくらいでしょうか、地味ですが裁判長役のJAプレストンが光ってました。
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