劇場公開日 1951年10月5日

「ミュージカルの名作にして古典」アニーよ銃をとれ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ミュージカルの名作にして古典

2018年11月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ショー程素敵な商売はない
この名曲を知らない人はまず居ないのではないか?
それほど有名な楽曲がメインに据えられている
本作のテーマもそこにある
音楽は巨匠アーヴィング・バーリン
名曲ばかりだ
そして振り付けもまた素晴らしく、俳優達が縦横に華やかなダンスを見せてくれる

衣装、美術の素晴らしさにも注目したい
ハリウッドの黄金期の実力のほどがどれ程の高いレベルが一目で分かる

ベティ・ハットンがとにかく素晴らしい
主人公の山だしの下品さ、たくましさ
そして憎めない純真さと単純さを、余すところなく完璧に表現仕切っている
彼女の全身でそして顔一杯に溢れる表情を観るだけでもう心が晴れる

当初はなんとジュディ・ガーランドが主演で撮影が途中まで進んでいたとのこと
精神を病んでいた彼女は途中降板してしまったので、やむなくベティ・ハットンに交代したという経緯だそうだ
DVDの特典映像で彼女の歌や踊りのシーンが観ることができる
しかし、明らかにベティ・ハットンの方が良い
ジュディ・ガーランドの演ずる主人公は確かにかわいいし、演技も歌も踊りも上手い
でもハットンと比べると線が細いし、可憐だ
山だしのたくましさ、下品さがどうしても足らないのだ
それが不足してしまうと、「銃では男を捕まえられない」のオチが小気味良く決まらない
第一、ジュディ・ガーランドでは心が晴れないのだ

本作の成功はもちろんアーヴィング・バーリンの楽曲によるものが一番大きい
だが、その次はジュディ・ガーランドが降板してべティ・ハットンが起用されたところにあるのでは無いだろうか
ハジュディ・ガーランドでももちろんヒットしたであろうが、ハットン主演で正解だったのだ

あき240