悪人と美女のレビュー・感想・評価
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作品としては散漫な印象だが、グロリア・グレアムが輝く映画
ハリウッド映画界の内幕を描いた映画で「死ぬまでに観たい映画1001本」にも選ばれているヴィンセント・ミネリ監督作。
映画界の内幕ものは数あるが、ロバート・アルトマン監督の『ザ・プレイヤー』には遠く及ばない作品だった。
デヴィッド・O・セルズニックをモデルにしているが、本作では製作者ジョナサン・シールズ(カーク・ダグラス)の復帰作に力を貸すよう頼まれた脚本家兼映画監督、女優、小説家(原作者)の3人が集まられて、3人がそれぞれシールズを嫌うようになった経緯を語るオムニバスっぽい映画。
脚本家兼映画監督は自分が長年温めていた脚本をシールズに奪われ、女優ジョージア・ロリソン(ラナ・ターナー)はシールズに拾われてスターになったものの愛情面で裏切られ、小説家(ディック・パウエル)は彼の執筆を邪魔するが可愛い妻(グロリア・グレアム)をシールズに遠ざけられて執筆業に専念させられている間に妻を失うことになる……など、三者三様のかたちで傲慢で自己チューな製作者シールズを嫌っている様子が描かれる。
ただ、本作は作品全体として見た時に「なんか散漫な印象」を受けてしまって、物語にのめり込む魅力に乏しい感あり。
…とは言うものの、グロリア・グレアムの登場シーンは眼を惹かれてハツラツとした印象を受けて素晴らしい。本作でグロリア・グレアムはアカデミー助演女優賞を獲得しただけある存在感。好きな女優が輝く姿を見るのは嬉しい。
初めて会った時は女でも女優でもなかった
ハリウッド内幕物でプロデューサーという
人物と仕事と映画ビジネスに光を当てている
(摩訶不思議)
資金調達方法も荒技
グロリア・グレアムが舞い上がってしまう南部美人妻役で
アカデミー助演女優賞を取っていたが
ラナ・ターナーもよかった
変なパジャマなんか着たりして、内も外もどんくさい娘が
色々あって自立し、立派な女優に
それでも二代目剛腕プロデューサーの力量を確認するのは
止められないのか
懐かしさを感じたりもするのか
作家以外は出発点はB級映画からで共に汗水かくが
皆、盟友と思っていたプロデューサーに煮え湯を飲まされる
観客より映画関係者の方が胸が震える普遍的な物語かも
タフなガウチョも巻き込まれたとも言える
また、著名な外国人監督の起用も描かれている
配役、脚本、美術、カメラ、衣装もよかった
古典的名作の風情
映画の始まり方と終わり方もよかったです
ゴージャスな女優となったジョージアの
電話の盗み聞きシーンに
ラナ・ターナーの名前がクレジットされ
それにディヴィッド・ラクシンの名曲がかぶさり
余韻を感じさせなから終わることに私はうっとり
ラナが女優が特別であった時代とその重圧のようなものも感じさせてくれました
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