赤ちゃんはトップレディがお好きのレビュー・感想・評価
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時代のズレすら忘れさせるキートンの名コメディエンヌぶり
大手コンサルティング会社に勤務し、仕事最優先、出世最優先で頑張る独身のキャリアガール(言い換えるとヤッピー)。このキャラ設定からして、すでに本作が作られた1980年代後半特有の女性観があからさまだし、ヒロインのJ.C.が親戚から託された赤ん坊の世話に時間を取られ始めた途端、上司から降格を言い渡される件は、今見ると『あり得ないでしょ!』と心の中で叫んでしまうのも事実。映画は社会を映す鏡とはよく言ったもので、特に社会と女性、女性の価値観と人生観について言及している場合は、時の隔たりを強く感じてしまう。
とは言え、本作はJ.C.を巻き込むローラーコースター並みに起伏の激しい展開が楽しいし、何しろ、演じるダイアン・キートンのコメディエンヌとしてのスキルが炸裂しまくりで、時代のズレすら思わず忘れてしまうほど。緩急が効いた台詞と表情はもちろん、いかにも赤ん坊を抱き慣れていない人が荷物みたいに抱き抱えている感じが、もし、演技と演出の狙いだとしたら凄いと思う。ビッグショルダーがトレンドだった80年代ファッションを取っ替え引っ替え着こなすキートンのファッショニスタぶりも見どころの一つだ。
これは、ダイアン・キートンのキャリアを振り返る上でも無視できないヒット作。あれから40年近く経った今も、キートンは時々コメディ映画に主演して、J.C.の頃とあまり変わらぬノリで我々を楽しませてくれている。こんな俳優を他に思いつかない。
猛暑の夏、サブスクのトップ画面に突然タイトルが表示されたので久しぶりに観たのだが、なんか、元気をもらえた気がした。
なぜか見てなかった名作
今となっては、アーカイブにも含まれていないようなラインナップ。
それでも、90年代のレンタルビデオ店には、必ず品揃えがあったラブコメディの傑作です。
ダイアン・キートンは当時を代表するコメディエンヌ。多くの女性が彼女に共感しました。
女性の社会進出をテーマにした作品で、これほどダイレクトにハートを揺さぶるコメディは少ないのでは?
比較になりませんが、当時活躍した女性と言えば、シガニー・ウィーバー、キム・ベイシンガー、ジーナ・デイビス、ダリル・ハンナ、メグ・ライアン。などでしょうか。
どれも彼女とは違うキャリアを行き、男が求める理想像を演じていたような印象がありながら、ダイアン・キートンは自ら制作に関わるような作品づくりをしていたような印象を受けます。
ストーリーに大きく関わる赤ちゃんがきっかけで、主人公は大きく変わるのに、赤ちゃんが全く成長していないことが気になりますが、そこはご愛嬌。
若く、イケメンのジェームズ・スペイダーが存在感のあるヤング・エクゼクティブを演じているのも興味あります。
とにかく、一見の価値ありです。
ダイアン・キートン
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