「喧嘩に勝っても得るものが無い」アウトサイダー(1983) 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
喧嘩に勝っても得るものが無い
観ていて爽快な青春映画であると同時に、争いの虚しさについても考えさせてくれる映画。
敵対するグループとの喧嘩に勝利するのはさぞ爽快で、してやったという気になるだろう。しかしそれが自分の人生を成功に導くことは無い。冷静に考えてみて、喧嘩に勝っても負けても得るものが無い。大怪我もするし最悪死ぬこともある。その時間を勉強やスポーツといった、自分の成長につながる行為に費やした方がよっぽど有益なはずだ。それでも周囲との人間関係の構築や、自分の身を守るためにグループに加わって戦わざるを得なくなる。その結果残るものは何も無い。国家間の戦争も似ている。大勢の人間が死ぬほど価値のある行為では無いのに、様々な要因で起こってしまい、戦わざるを得なくなる。なんて虚しい時間なんだろう。
今作はスティービー・ワンダーの主題歌もしみじみとしていてストーリーに合っており良かった。
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