「【”ある女に恋した男が彷徨い込んだ忘却の村”作家マルセル・カルネが作り出す夢とも現実ともつかない不思議な雰囲気に引き込まれる作品。夭逝したジェラール・フィリップの儚げな表情も良き作品である。】」ジュリエット あるいは夢の鍵 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ある女に恋した男が彷徨い込んだ忘却の村”作家マルセル・カルネが作り出す夢とも現実ともつかない不思議な雰囲気に引き込まれる作品。夭逝したジェラール・フィリップの儚げな表情も良き作品である。】
■想いをいせるジュリエットのために金を盗み投獄されたミシェル(ジェラール・フィリップ)。
牢獄での夜、ジュリエットを想ううち、彼は扉を開けて明るい道行く人に名前を聞いてもされ名前を知らない“忘却の村”にたどりつく。
ジュリエットが村の領主の城に幽閉されていることを知ったミシェルは、やっとのことで彼女と再会する。
◆感想
・幻想的ではあるのだが、早逝した絶世の美男子のジェラール・フィリップの儚い表情が炸裂する作品である。
・ミシェルは“忘却の村”で、ジュリエットと出会うが、彼女は自分の事を覚えていない。忘却の村であるからである。
・そして、絶望したミシェルは現実世界の戸を開けて、再び牢獄に戻るが、現実でも彼はジュリエットから共には暮らせないと言われてしまう。
<幻想的な“忘却の村”という世界観と、現実でも幻想先でも報われないミシェルを演じるジェラール・フィリップの、哀し気な表情が印象的な作品。
ジェラール・フィリップ主演の作品は、未だ2作を鑑賞しただけであるが、非常に魅力的な俳優である。
高峰秀子さんが”気にいっちゃった”のが良く分かる、憂いを帯びた表情と漂わせる気品は、比類がない。
もう少し、この稀有な俳優の作品を観て行こうと、たった今決断した次第である。>
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