哀愁のレビュー・感想・評価
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悲しい結末で印象深い
1=男女の出会い方は、「君の名は」に似てる
①空襲警報が発端 ⇔ 同じ
②ウォータールー橋で出会う ⇔ 数寄屋橋が出て来る
③避難した地下駅で仲良くなる ⇔ 防空壕で仲良くなる
2=「君の名は」は、戦後のラジオ放送+映画なので「哀愁」の方が早い
真似したのは、「君の名は」になる
3=男が求婚し女が了解して、その日の内に指輪→教会は早い
「土佐の一本釣り」にも似たストーリーがある
勿論、この映画の方が早い
4=戦死の誤報記事が、マイラの不幸の始まり
5=キティが娼婦になった後にマイラと話す言葉は、哲学的要素がある
6=マイラは、最後はトラックに飛び込み自殺で悲しい
これは、トルストイの小説「アンナ・カレーニナ」の鉄道自殺のマネかな
7=映画がハッピーエンドでないのは、残念だが印象深い
悲しい
アメリカの劇作家 ロバート・E・シャーウッドが
1930年に発表した舞台劇の映画化。
監督:マービン・ルロイ
第二次世界大戦に出征する将校と
バレーの踊子の悲恋物語。
ヒロイン、マイラには、
『風と共に去りぬ』でアカデミー主演女優賞を獲得した
ヴィヴィアン・リー
将校には、ロバート・テイラー
当時、最高の美男美女の共演だったそうです。
クラシック作品も多く観ていますが
この「哀愁」 WATERLOO BRIDE
哀しすぎて涙が止まらない。
初めてのデート場所
「キャンドルクラブ」で二人が踊る
楽団が演奏する
「オールド・ラング・サイン」(蛍の光)の
メロディと共に
次々とキャンドルの火が消されてゆき
それでも、踊り続ける恋人達・・・
恋の幸せの時間は短くて・・
戦争によって破壊されてしまう愛
どん底にいた生活の事を話せず
愛した相手の幸せを願い
美しいままのイメージをと願った
マイラのとった行動は・・・
ヴィヴィアン・リー
「風と共に去りぬ」のスカーレットとは違う
繊細なヒロインを演じています。
戦争に翻弄された手に職が無い若い綺麗な踊り子の不幸
ビビアンリー主演で、風と共に去りぬの翌年、1940年の映画。
戦争が引き裂く哀しいメロドラマを思い描いていたが、かなり大きく異なっていた。
戦地に向かうロバート・テイラーを見送り、舞台を欠勤した踊り子ビビアン・リーと友人は踊り子を首になってしまう。職を色々探したが雇ってもらえず、二人がたどり着いた先の仕事は。お金も無く、技術も無い若い女の子がどうやって英国の都会で生きていくか、途方にくれ未来の恐怖に怯える2人の姿が、コロナ下の現状と重なって、物凄く切実に思えた。
商売で出かけていた駅で、戦士したと思っていたが帰還したロバート・テイラーと再会。結婚するという彼と共に彼のお屋敷に行ったものの、自分は彼に相応しく無いと思い、ロンドンに逃げ帰るビビアン・リー。彼の邸宅や親族の貴族的な豊かさと、彼の母親の賢さが上流階級の手の届かなさ感を見せていて、なかなかの造り。
車の飛び込んでしまって分からないままだが、ロバート・テイラーと彼の母親は、嫁候補の過去を許せななかったのだろうか?それとも許せたであろうか?
女性が生きるのは今以上に難しかった第一次大戦時に起きた小さな悲劇。スカーレットオハラとは異なり、時代の波に翻弄され娼婦にまで堕ちてしまう女性をビビアンリーが、チャレンジングに演じている。女優魂の塊の様なヒトと感じた。
最近観た過去の名作
個人的には映画は前知識なく観るのがいちばんと思っている。原題はWaterloo Bridge(ウォータールー橋 )で、邦題の「哀愁」と全く異なる。邦題は洒落てはいるが、この映画がラストは悲劇になる物語であると想像できてしまう。最初と最後のシーン、二人が出会った思い出深い場所がウォータールー橋だったので、製作者の意図通り原題どおりに(あるいは、 思い出のウォータールー橋、とか)にするべきではなかったか。
マーヴィン・ルロイ監督作品であるが、彼の傑作「心の旅路」はハッッピーエンドだったが、こちらはその悲劇版とでも言ったらよいかもしれない。同様に感動の傑作である。
白鳥の湖から戦争を感じるマーチへ。そして、ラストダンスは蛍の光。
1939年、灯火管制下(戒厳令みたいな感じ)でイギリスはドイツに宣戦布告。暗い世の中で、戦地に向かおうとするロイ・クローニン大佐の姿があった。ウォータールー橋の上でドイツの空襲があった過去のストーリーを思い出す。
1917年。空襲警報の鳴り響く中、大尉のロイは人々を地下鉄に避難させ、バレエダンサーのマイラと知り合った。一日目は避難、二日目はバレエ鑑賞と食事・ダンス、三日目にはプロポーズという驚異的なスピードでの恋愛成就。前線に向かう直前のことだった。その日のうちに結婚しようと教会に向かうが、午後3時以降は戦時下の法律によりできないと・・・じゃ明日!と約束したのだが・・・
戦地にいたロイからの連絡。母親と会うという大事な時、ロイの戦死報告記事を見つけてしまったマイラ。そこから彼女のどん底人生が始まってしまう。売春とか娼婦とかいう言葉は一切出てこないが、全く職にありつけないキティとマイラの選んだ道はひとつ。戦争というものは必ず不幸になる者がいるのだ!と、強く訴えてもいる。
第一次大戦時のウォータールー橋はそれほどでもないが、時は流れて第二次大戦前夜となると鉄骨が組まれて補強されている。ロイは誰かと結婚したのだろうか?していたとしても、唯一愛した女性はマイラのみ。純情すぎたマイラの選んだ道は悲しくてやりきれないが、誰に対して文句を言えばいいのだろう?この映画を観た後では、「蛍の光」の印象がガラリと変わるかもしれません。
近代版 白鳥の湖
(映画を見た人だけ見てください)
白鳥の湖 において、ヒロインを殺したのは魔女の呪いです。
waterroo bridge において、ヒロインを殺したのは 尊厳という呪いです。
現在のバレエは 芸術として高い水準の文化として認知されていますが、戦時中はそうではなく、バレエダンサーは水商売の様な扱いを受けていました。
作中ではあまりバレエの歴史は出てきませんが、そういう目線で見ると 面白いです。
直接的なバレエの話ではありませんが、ヒロインの行動や考えの軸にあるものは、当時のバレエの在り方だと思います。
なぜ 生きることが優先される時代に、ダンサーは貞操を守る必要があるのか。
階級や職種を越えて、2人の人間が同じ立場になるにはどうすればいいのか。
そういうのを守ることが、果たして人間としての尊厳なのか。
現代に暮らす私たちは、平和になったはずなのに、むしろ 人間の尊厳 という部分においては、めしいになっているきらいがあります。
それどころか、逆に 当時で言えば尊厳にあたるものを、失うか 或いは 奪うか する事に価値観を抱いている部分があります。
現代人の言うところの、勝ち組 という言葉に表されるように。
悲劇 と言えば この映画はそれまでですが、これが悲劇なら私たちはもっと悲劇なんじゃないですか?
この映画を見て、私は好きという気持ちをもっと大事にすべきなんだ、と思いました。
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