銀色の髪のアギトのレビュー・感想・評価
全3件を表示
森を守ろうとした銀髪の男が過去に戻そうとする軍隊好きの男に倒されそうになる話?最後にはチルドレンまで生まれてくる・・・
もちろん政治ドラマではない。多分、自然破壊をなくそうというメッセージも含まれているアニメなのでしょう。しかし、主人公のモチベーションも弱く、過去の過ちについてもよくわからない。単純に映像や音楽だけを楽しめばいいアニメなのかもしれないし、ポスト・ジブリに名乗りをあげたかっただけなのかもしれない・・・
良作アニメの寄せ集めという意見もかなり多いようですけど、ここでは宮崎アニメに限定して考えてみたいと思います。まず自然破壊というテーマや世界観においては、もちろん『風の谷のナウシカ』とそっくりな設定。森の底にしか生命の源である“水”がない。中立都市の人々はその水を汲み上げるのが日課となっているのです。また、シュナックや部下ジェシカの鎧も似ている。
『天空の城ラピュタ』からは、森との境界線で番をしてる爺さん、過去から来た少女トゥーラとの出会い、終盤の火山の中など・・・トゥーラという名前も海賊のばあさんドーラから取ったものかもしれません。『未来少年コナン』からは、トゥーラを抱きかかえて走るアギト、列車越しにみつめあう二人、親友カインはジムシーの性格にそっくりだ、などなど。『もののけ姫』からは、アギトの手が不気味な木になるシーン。『ハウルの動く城』からは、戦闘シーンや要塞が歩くシーン。森の番人みたいなゼールイ・ベールイ(?)の目は『となりのトトロ』に違いない(貞子という説も)。そして意外なところで、ヨルダというネーミングは『太陽の王子ホルスの大冒険』のヒルダからかもしれないし、銀色の狼から強化体の銀髪が生まれたのかもしれない。また、「なぜこんなところに列車が?」と思えるのは『千と千尋の神隠し』と一緒だ・・・
中にはこじ付け気味のものもありますが、“の”の字を入れてタイトルまで雰囲気を似せているほど宮崎アニメに多大なる影響を受けていることは明白です。しかし一方、決定的に違う点では「飛ばない」ことで浮遊感を味わえない、虫が出てこない、グロい部分がないことが挙げられます。ストーリーにおいても、平和のために軍隊は必要であるかのような考え方ではジブリ作品の域に達しないでしょう。なぜ昔の世界に戻してはいけないのかもわからないし・・・
OVAやTVシリーズのほうが…
GONZOの初劇場アニメ。さすがに映像は見事だけど、それ以外はやや平板。設定はなんだか『天空の城のラピュタ』を思わせるし、これといった深いバックボーンも説明されず、ドラマもないので、ただただ表面的に物語が流れているだけといった印象。これだったらGONZOお得意のOVAやTVシリーズで、もっと深く掘り下げて描いたほうが面白くなったろうなぁ…と思うとちょっともったいない。
全3件を表示