黒薔薇昇天

劇場公開日:

解説

法の網をくぐりながらブルー・フィルム作りに涙ぐましい努力をはらう男たちの哀感を描く。原作は藤本義一の『浪花色事師=ブルータス・ぶるーす』。脚本・監督は「櫛の火」の神代辰巳、撮影は「東京エマニエル夫人」の姫田真佐久がそれぞれ担当。

1975年製作/72分/日本
配給:日活
劇場公開日:1975年8月9日

ストーリー

和歌山の海の見える旅館の一室。「メイ子の顔へ行こう、安さん」安さんのカメラがメイ子の顔にパン・アップすると、素裸のメイ子は一の下で精一杯いい顔をする。「ええで」と監督の十三も一緒になっていい顔をする。しかし、その日の撮影はいつものように順調にはいかなかった。というのも、メイ子が一の子供を妊娠していて仕事を止めたいというのだ。ロケ隊は仕方なく大阪に戻った。十三は副業にエロテープの製作、販売もしている。エロテープといっても動物園のアシカやアザラシの声、相撲の勝力士のインタビューの息づかい、歯医者と患者の会話などを録音構成したものである。いつものように十三が歯医者の診療室にテープレコーダーを隠し、録音したのだが、その中にいつも待合室で会う二十五、六歳の美人と歯医者との密会のなまめかしい声が集録されていた。十三は早速、探偵社の者だと偽って、その女、幾代と接触し始めた。幾代はある大金特の二号なのだが、年寄り相手の欲求不満解消のために歯医者と浮気をしていたのだった。十三は証拠のフィルムが自宅にあると偽って部屋に連れ込み抱きしめた。彼女の反応は激しく、十三にからみついた。その時、隠れていた安さんがキャメラを廻し始めた。幾代はさすがに驚いたが、やがて失神してしまった。ふたたび海の見える旅館の部屋。一の今度の相手は幾代である。お腹の大きくなったメイ子もいる。石やんがライトをつけ、安さんがキャメラを廻し始めた。うらめしそうに十三を見ていた幾代だったが、やがてその体に火がついて撮影は佳境に入っていった。その時、メイ子が声をかけた。「一ちゃん、いったらあかんで」。「あほ、いい加減にせい」と十三。一と幾代はどんどんピークにさしかかる。突然、十三が一を幾代からひっぱがした。十三もいつの間にかメイ子と同じように嫉妬していたのだった。「わいはまだ修業が足らんのや」十三はしょぼんと座り込んでしまった。

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