劇場公開日 1966年4月12日

憂国のレビュー・感想・評価

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5.0極上のエロス。

2025年11月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

ドキドキ

とても上品でエロくて興奮しました。特に奥さまの慎ましさの中にある献身に心を射貫かれます。堪らない夫婦愛です。死を覚悟した性交はドーパミン出まくりでリミッター越えの天上知らずでしょう。「仮面の告白」や「音楽」でもズキズキきましたが、谷崎潤一郎の「鍵」レベルで興奮しました。日本の「SM」は西洋のサディズム・マゾヒズムとは違い、許し合い信頼し合いそしてそこに甘えて身を焦がし奈落の底まで堕ちていく失墜感が快楽なのだろうと思います。単なる加虐などエロスではないと信じたい。その意味でこの「憂國」は、その究極の愛の形に見えて眩しかった。

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羅生門

3.0美しくもグロい自死への憧れ

2020年8月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

大昔、三島由紀夫全集を手に取った時、この作品が最も短くて読みやすそうだったため気軽に読み始めたものの、あまりのリアルな描写に読後しばらく放心してしまったような覚えがある。夫婦の最後の交わりと自決という両極端の場面が同列の行為かのように描かれていて、これが耽美とかいうものかとゲンナリしながら、なぜか何度も読み返してしまった。危ない…。随分年月が経って動画を初めて観たが三島自身が主演していることもあり、読書時の淡々感に比べ変な思い入れみたいな雑味?を感じてしまった。(荒い白黒画像で櫛削るシーンがあったりしてなんだかリングの呪いのビデオを彷彿)。これを見る限り彼は市ヶ谷で自衛隊が決起しようとしまいと、いつかはこのスタイルで生を終えることにゾクゾクとした憧れをいだいていたのかなぁという気がする。

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あっきゃん