劇場公開日 1966年4月12日

「美しくもグロい自死への憧れ」憂国 あっきーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0美しくもグロい自死への憧れ

2020年8月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

大昔、三島由紀夫全集を手に取った時、この作品が最も短くて読みやすそうだったため気軽に読み始めたものの、あまりのリアルな描写に読後しばらく放心してしまったような覚えがある。夫婦の最後の交わりと自決という両極端の場面が同列の行為かのように描かれていて、これが耽美とかいうものかとゲンナリしながら、なぜか何度も読み返してしまった。危ない…。随分年月が経って動画を初めて観たが三島自身が主演していることもあり、読書時の淡々感に比べ変な思い入れみたいな雑味?を感じてしまった。(荒い白黒画像で櫛削るシーンがあったりしてなんだかリングの呪いのビデオを彷彿)。これを見る限り彼は市ヶ谷で自衛隊が決起しようとしまいと、いつかはこのスタイルで生を終えることにゾクゾクとした憧れをいだいていたのかなぁという気がする。

あっきゃん