「冒頭から石井輝男演出が冴える」ポルノ時代劇 忘八武士道 papatyanさんの映画レビュー(感想・評価)
冒頭から石井輝男演出が冴える
冒頭のタイトル部分から流血シーンや火花散るチャンバラ。ポルノ時代劇と謳うだけに、ひし美ゆり子、池島ルリ子、相川圭子など妖しい女忘八役の女優陣が裸身を魅せる。劇画を意識した石井輝男演出は、降りしきる雪の中、明日死能(丹波哲郎)が阿片で朦朧とした意識の中で、捕物陣を相手に五体が宙を舞う凄まじい殺陣を展開する。捕物陣と切り結ぶ丹波の殺陣はさすがに上手い。石井監督と丹波哲郎は新東宝時代からの盟友で、東映に移ってからも親しく、石井監督晩年の低予算自主制作作品「地獄」(平成11年)にも明日死能役で付き合っている。剣の無情、愛欲非道を描いた大人向けの娯楽時代劇。
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