鉄腕アトム 宇宙の勇者のレビュー・感想・評価
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アニメーション黎明期の表現
"鉄腕アトム(映画)" シリーズ第1作。
NHKでの放送(フルカラーレストア版)を鑑賞(録画)。
原作マンガは未読。
初代の「鉄腕アトム」を初めて観た。アトムの声がかわいくて、アトムの純粋な性格に合っており聴き心地が良かった。
日本のアニメーション黎明期の作品なだけに、今にも受け継がれる表現手法がこの頃から見られることに歴史を感じた。
宇宙関連のエピソードでまとめられており、ロボットが合体する宇宙ロケットや宇宙人との戦いと云う夢や娯楽性のある話から、地球滅亡を巡って倫理観を揺さぶり深く考えさせる内容の物語まで、バリエーションが豊かで面白かった。
元々はそれぞれモノクロ、カラー、パートカラーでつくられた3話を繋げた劇場版として公開された作品である(テレビアニメの「劇場版」としては本作が初だそうだ)。
NHKの「放送100年事業」の一巻として、AIによってフルカラーレストアされたバージョンが放送されていた。
だが、放送100年のお題目ならばそのままの方が歴史的価値と云うか、カラー放送黎明期の雰囲気を感じられるのではないかと感じ、何故全てカラー化したのか理解出来なかった。
幼稚すぎる。これを見て、クールジャパンと言うなかれ。
よくよく考えると、僕は『鉄腕アトム』よりもそのあとにやっていた『宇宙家族ロビンソン』のファンだった。
そして『サンダーバード』が同じ時期だったと記憶する。『鉄腕アトム』で、はっきり覚えているのは、太陽に飛び込んで行くアトムの姿位で、そのあとに放送された『悟空の大冒険』の方が印象に残っている。ガキのくせに、アトムが『幼稚じゃん』と考えていた。
まぁ、主旨は
原子力の平和利用って事だと思うが、アナクロなのは仕方ないが、未だにこの理論が信じ込まれている事に問題がある。手塚治虫先生は1989年に天国にめされているが、1986年のチェルノブイリ原発事故をどう見ただろうか?
それは兎も角『科学を否定する事が良い事』とは僕は思わない。科学を考えれば、このアニメで語られている事が、ハチャメチャな事が分かる。
アトムはアストロボーイと改題されて、アメリカで一時放映されたそうだが、アメリカでは目が出なかった。それどころか、放映が禁止それたそうである。つまり、西洋のロボットに対する解釈は『アイザック・アシモフ』の『ロボット三原則』があるし、アトムの破壊行為が、アメリカ当局の逆鱗に触れたのだと思う。アメリカは自由と民主主義の国なのだろうが、敗戦国日本が、無神経に破壊行為を正当化する事は、道義的な責任が生じるのだと思う。
追記
アトムはアニメよりも当時『光文社』から毎月出版されていたアトムコミックのファンだった。
覚えているのは『十字架等の秘密』『ホットドッグ兵団』『イワンのばか』かなぁ。その後何年かして、小学館から全集が出版されて『アトム今昔物語』にハマった。まぁ、その頃はアトムよりも『奇子』とか『ガラスの脳』や『きりひと讃歌』等のエロいコミックにハマっていたけどね♥
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