フリック

劇場公開日:2005年1月22日

解説

北海道苫小牧で、不可解な事件に巻き込まれていく一人の刑事の不確かな運命を描いた異色サスペンス。監督は「海賊版=BOOTLEG FILM」「殺し」「歩く、人」で日本人監督として初の3年連続カンヌ映画祭出品という快挙を成し遂げた小林政宏。主人公を演じるのは、「クイール」「ホテル ビーナス」の香川照之。シリーズもの以外では初の単独主演となる。共演に、「ハッシュ!」「約三十の嘘」の田辺誠一。謎めいたバーの女に、本作のスチールも担当する大塚寧々。

2004年製作/154分/日本
配給:ケイエスエス
劇場公開日:2005年1月22日

あらすじ

最愛の妻を何者かに殺され、自暴自棄になった刑事・村田(香川照之)。半年もの間自宅に閉じこもり酒に溺れる彼の元に、同僚の滑川(田辺誠一)が訪れる。突然の招かれざる客を煙たがる村田に対し、滑川は軽い調子で、ある任務を告げる。それは渋谷のラブホテルで殺された女子大生、楠田美知子(安藤希)の身元確認のため、彼女の遺族を滑川と一緒に苫小牧から東京へ連れてくるということ。犯人はまだ捕まっていないが、最近多発する連続殺人犯と同一人物の仕業らしい。気乗りしない村田であったが、滑川に説得されるまま、苫小牧へ飛ぶ。目的地に到着したふたりは、早速被害者の兄の元へ向かう。足の不自由なこの男は妹の変わり果てた写真を見て錯乱するが、どうも腑に落ちない村田は、美知子の事件直前の行動を兄に尋ね始める。いきなりの越権行為を責める滑川を尻目に、彼女のアルバイト先を聞き出す村田。その晩、地元の市警である佐伯(田中隆三)と及川(松田賢二)によって、ささやかな歓迎会が催された。佐伯は滑川の警察学校時代の先輩であり、和気藹々と宴は進むが、村田はどことなく居心地の悪さを感じる。翌朝、湖のほとりで美知子の兄の死体が発見される。状況証拠だけで自殺と決め込む佐伯らに苛立ちを覚えた村田は、単独で捜査を開始。手始めに美知子が働いていたという開店前のバーへ向かう。しかし美知子は店員ではなく、客としてひんぱんにその店に通っていたのだと、カウンターに立つ謎めいた女性・伸子(大塚寧々)から告げられる。さらに美知子の友人でアルバイトとしてバーで働く愛(安藤希・二役)からは、美知子は援助交際をしており、客との待ち合わせのために店を利用していたと知らされる。もし美知子の携帯が見つかったら、町全体がひっくり返るのではないか、と語る愛。事件の糸口を見出すどころか、逆に出口のない迷路へと迷い込んだような惧れを抱いた村田は、嫌がる滑川を連れてその夜再びバーへと足を運ぶ。愛の姿が見えないことを不思議に思った村田が伸子に尋ねると、彼女は静かに答えた「いませんよ。そんな人」。次第に混乱していく村田。夢のような曖昧な記憶の中で、妻が殺害されたときの記憶が蘇る。猜疑心に苛まれ、妄想と現実の区別がつかなくなった村田の疑念の矛先は、滑川にまで及ぶ。妻には男がいた。別れ話も切り出されていた。犯人は自分が射殺したはずだ。しかしそれらは実際の出来事だったのだろうか?

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0 本当に大好きで繰り返し観ている作品

2025年10月1日
iPhoneアプリから投稿

個人的にこの作品が大好きだ。
もう20年前の作品だが好きすぎて、DVDはレンタル版のI章、II章に加え、完全版を2枚の計4枚所持し、うち、完全版1枚には小林政広監督にサインしてもらった程だ。
半年に1〜2回は観たくなり観ている。
サントラやblu-ray化を未だに夢みているくらい好きだ。

噛めば噛むほど味がでるスルメのように観れば観るほその魅力に気づきどんどんハマっていくような映画なのだ。
キャスト、ストーリー、音楽その全てがたまらなく良い。
おそらく何にも引っかからない人には引っかからないつまらない映画なのかもしれないが、引っかかる人にはめちゃくちゃ引っかかる映画ではないかと思う。

ストーリーはある日突然最愛の妻を殺され生きる気力を失った刑事、村田(香川照之)。半年間も自宅に引きこもり、酒に溺れて自暴自棄となっていた彼のもとを同僚の刑事、滑川(田辺誠一)が訪れる。村田を心配する滑川は、彼を簡単な任務に連れ出した。それは、渋谷のラブホテルで殺された女子大生の身元確認のため、遺族を苫小牧から連れてくるというものだった。しかし、村田はこの事件の裏に何が不可解なモノを感じ、独自に捜査を進めていく。

ざっと、あらすじとしてはこんな感じなのだが、
妻を殺されたことで村田の精神が異常をきたしてきているのか、夢か現実か何が本当で何がウソなのか記憶の辻褄が合わないような幻想に囚われていく物語が展開され、
観る人によって色々な解釈にとれるのが非常に魅力的なのである。デビットリンチの描く世界を彷彿とさせるようであり、またそれとは違った不思議な魅力がある。

冒頭、長い1本道を手前に走ってくる村田と滑川を乗せた車。
結末、冒頭とまったく同じこの1本道の映像で幕を閉じるのだか、観ているモノにとっては冒頭とは異なる意味を持つのが面白い。
是非、あなたもこの解けない謎に取り込まれてみて欲しい。

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nao

0.5 ダラダラとした展開でメリハリがない

2021年1月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

だらだら〜と物語が展開していき、メリハリがないので途中で寝落ち。所々見ていたので、展開がよく分からないが、つまらん。
最後のエピローグはなんだったのだろう。今までの話を全てひっくり返すストーリーになっていて余計に混乱した。

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movie freaks