「武田鉄矢は~?」レイクサイド マーダーケース kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
武田鉄矢は~?
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推理したりサスペンスを楽しんだりするといったモノではなく、心理描写、舞台劇、そして社会派ドラマを楽しむといった雰囲気でした。武田鉄也がサプライズゲストとしていつ登場するかと期待していたのに、そういう映画ではなかったようだ・・・
3年B組金八先生第1シリーズにて、妊娠騒動を起こした二人がそのまま夫婦で登場する。映画も名門中学の“お受験”というテーマがあるように、教育問題を扱うにはぴったりのキャスティングだったのかもしれない。そして原作よりもストーリーを簡素化、登場人物を少なくした点から、日本の少子化問題を投影したとしか思えない設定になっているのです。最終的には親子の異常な愛情、歪んだ社会構造という問題提起も浮かび上がるのですが、役者が上手いので、何も考えずにのめり込んでいってしまいました。
その中でも役所広司の演技には安心でき、彼の目となって人間関係を見つめていきます。他の人物が不自然な台詞や行動を取ることにツッコミを入れたくなったりするのですが、その都度「おかしいのはあなたでしょ!」という薬師丸ひろ子の台詞が聞こえてくるような気がして、まともな性格設定が役所だけにしてあるという演出に唸らされてしまいました。
その他、薬師丸ひろ子と柄本明のボソボソとしゃべるシーンが狙った効果。妙に生々しく見せる死体の効果。エンディングでは色んな可能性を観客に想像させるとともに驚きの映像を用意してあります。ロケは富士五湖ばかりなんだろうけど、どこだかよくわからなかった・・・だけど神秘的な映像で楽しませてくれますよ。と、演出面でもいいことばかり書いてますが、全体的には平凡な印象だ。
【2005年1月映画館にて】
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