劇場公開日 2005年4月23日

「「北の国から」みたいな世界観で、雪の降らない山村の父子関係。」村の写真集 ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「北の国から」みたいな世界観で、雪の降らない山村の父子関係。

2025年5月12日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

藤竜也と海東健が親子関係。
徳島の山間部の村で、細々と写真店を営む藤竜也。
この地域、以前バラエティ番組か何かで、山の傾斜を使い、
村おこし的な流しそうめん企画をやったので知っていた。

息子の海東健は父親に反発し上京するも、カメラマンとしてうだつの上がらない生活をしてる。

村にダムができるから、記念に役場が藤竜也に村人の家族を写真におさめる企画を立て依頼、
その助手として、息子を村に呼び戻す、というお話。

この父子関係の仲が悪く、微妙な距離感があるが、役場から依頼された仕事を一緒にするにつれ、
互いの距離が縮まり、父と息子の確執が解消されていく、ヒューマンドラマ映画になっている。

大体先が想像つくと思うが、
「上京した子供が、わだかまりのある田舎の片親の元に帰ってくると、大体親の健康面が●●い状況に陥るの法則」が発動するのは、
この前観た「とべない風船」の小林薫と三浦透子の親子関係と同じ(笑)

映画の世界では、東京にいる子供は田舎に帰る時、致●量強めの感染源か、●神を持ち帰ってしまうんですなあ。
(@_@;)

ストーリーの起伏はそれ関連ぐらい。田舎ってな〜んもねえからなあ。

あと、藤竜也がいかにも昭和な親父って感じで、
「男は黙って背中で語れ」みたいな頑固者。
「自分、不器用ですから」みたいな寡黙な男。
それでいて仕事中は、山登りでもスーツで固めて紳士風。

村人からも人望があり、そんな父親を昔から見てる息子は、
「こんなクソ田舎で、クソつまんねえ人生だな」
( ゚д゚ )ペッ

とでも思ってたのだろう。反発して東京へ行くも、モノにならず出戻りのような感じで帰るが、居場所がない。

なんだか「北の国から」みたいな世界観だが、雪は降らないので、「山の国から」とでも呼ぶべきか。

この言葉数の少ない父子のやりとり、結局、父親に分がある。
父親の方が経験も人望も豊富。
そこから何を学び取るかって話になるから、どこか説教臭くなる。

自分の父子関係に当てはめて考えてみて、似てるなあと思える人なら、何かを感じる作品だし、
似てないなあと思ったら、退屈に感じるかもしれない。

また、父娘の関係とは微妙に違う。やっぱり、男と男の世代間の物語だ。
古臭いテーマではあるが、藤竜也の渋い演技からくる、昭和の親父像を見届ける作品でもあり、
興味があるならまぁ見てもいいかなって感じだった。

良かった演者
藤竜也

ソビエト蓮舫