「敷居の高い映画です」埋もれ木 あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
敷居の高い映画です
国際的評価の高い小栗康平監督ならではの、芸術的な「しかけ」に満ちた野心作。観るきっかけは、新聞で、他界されたユング心理学者の河合隼雄氏の面白い評価があったから。
素材はとても地味ですが、フェリーニばりの画面の細部にいたる細部に気遣いと遊び心が感じられ、映像はリアルとシュールの境目を行ったり来たりします。観る人の心理状態をイメージしての丁寧な心くばりも感じとれます。映画館の暗い空間で、コンディションをよくして観たら、もっと映像に心は持ってかれるのではないでしょうか。
そして、自分が観たの邦画の中では一番「和心」を感じた作品でした。(じつは小津作品はまだ見ていない。)これはどちらかというと体感映画ですね。夏の心の避暑にはもってこいの作品。ただ理解するには少々時間を要する映画です。また機会があったら観てみたいと思わせる作品です。
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