劇場公開日 2005年7月2日

「ギャグ漫画の野球映画では、『地獄甲子園』でがっかりしたという苦い思い出があるだけに、この映画も心配しのですが、不覚にも感動してしまい、自分の立場も逆境へ」逆境ナイン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ギャグ漫画の野球映画では、『地獄甲子園』でがっかりしたという苦い思い出があるだけに、この映画も心配しのですが、不覚にも感動してしまい、自分の立場も逆境へ

2019年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館

 初っ端から、限りなく『2001年宇宙の旅』へのオマージュが見られます。荒れ果てた全力学園のグランドには西部劇に出てくるころころころがると枯草も見られます。『少林サッカー』や『カンフーハッスル』にも雰囲気がそっくりで、キャッチャーの大石(柴田将志)なんて『少林サッカー』に出ていた俳優(リン・ゾーソォン)にも似ていました。ストーリーは廃部寸前の野球部が甲子園を目指すという、どこにでもある熱血野球物語なのですが、とにかく小ネタに大爆笑。そして、ばかばかしいのに何故か感動してしまう奇想天外な展開に大満足でした。

 テーマは「逆境」にあっても、くじけずに夢を掴むという内容で、ちょっとだけ勇気をもらえるのですが、序盤では、人間の弱さを見せる野球部員が「チワワに噛まれて」「女に振られて」「バイトがあるから」「赤点のため追試」などという理由で試合をもさぼってしまう。しかも、主人公さえも「恋に生きるため」にさぼってしまうのです。メンバーもギリギリの9人だけという野球部。しかし、さすがにコメディらしく「クラスの暇な人」を臨時部員にしてなんとか切りぬける。最後にはやはり、野球はチームプレイ!仲間を互いに信ずるところにこの映画の良さがありました。

 『花とアリス』では落研部長、『電車男』では2ちゃん住人、そして今回は守備の要サードを守る坂本真。彼が食い倒れ人形と並ぶと、兄弟のように見えます。めおと屋の内海桂子にも注目だ!(?)

 予告編を見る限り、かなりネタバレっぽいのですが、112対0というとんでもない逆境にどう立ち向かうのか!?・・・かなり面白いですよ。

kossy