「監督に猛省を」空中庭園 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
監督に猛省を
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ごく普通のベッドタウンのマンションに暮らすごく平凡な一家には常に笑顔を絶やさない母親が居る。
母親は絶対的な‘王朝’を築き上げていた。
それは実に整然と作られた【庭園】や、家族が一同に食事するテーブルの上にある照明の【笠】は引っ越して来た時から彼女の‘心の監視カメラ’の如く存在し、家族の誰にも‘鍵’は持たさず‘秘密’は許さない。それは過去の自分と照らし併せて【家族を守る】とゆう強い意志の表れからで有り、住んでいるマンション自体がまるで‘王朝’の様でもある。
しかしこの家族は単に‘家族’を演じているだけに過ぎず、現に娘がナンパされる辺りから(入れ墨が象徴的だ!)崩壊し始め、誕生日の【王朝絵柄】を思わせるケーキを前にして遂に笑顔は消え失せ崩壊する。
この場面での緊張感は、その長回しと共にまるで『家族ゲーム』の横一列の食卓を意識しているかの様な演出である。
そして‘家族’とは‘母親’とは何か、見えない物が見えて来た時に‘王朝’の象徴だった【庭園】に人間の体内で一番大切な‘命の水’が降り注ぎ浄化されるのだ!
小泉今日子が素晴らしい。コンビニで振り返り笑顔を取り戻す場面は凄い。
最後に事件を起こした監督に猛省を。
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