劇場公開日 2005年11月5日

「日本人好みの懐古趣味の話」ALWAYS 三丁目の夕日 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本人好みの懐古趣味の話

2013年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悲しい

楽しい

幸せ

総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 80
演出: 80
ビジュアル: 75
音楽: 75

 まだ日本が貧乏だった時代だが、社会には希望が、町には人の温かさがあったということを主題のひとつにした映画だろうか。実際にはこの時代は貧困に苦しんだり職にあぶれた浮浪者が巷にあふれていたりしていたらしいが、同時に経済が上向きで未来に希望を持てる時代でもあったのだろう。登場人物に殆ど金持ちは登場しないが、苦労していても絶望したりすることなくなんとなく深刻にならない和やかさが作品の底辺を支えている。
 そのあたりの人情的な話はありきたりと言えばその通りで否定できない部分もあるし、個人的に作品では美化され過ぎているこの時代がそんなに良かったとも思えない。今でも上野駅周辺には浮浪者の人々がたくさんいるし、ましてこの時代では猶更であろう。ではあるのだが、そういう現実的な部分に焦点を当てるのではなく、こういう怒ったり泣いたり悲しんだりするのを、厳しい生活をほのぼのとした雰囲気の中で描く。その中で笑ったり救われたりする話も、ありきたりだし特別感動したわけではなかったが、悪くなかった。こういうのはとても日本人好みの話だと思う。それぞれの登場人物がどういう人でどういう生活を送っていてということもしっかり描かれていて、そのために思い入れを持てるのもいい。

 建物などのセットなどはこんな程度かなと思うが、CGが健闘していて当時の街並みの再現が良かった。

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Cape God